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2005年09月29日
「真夜中のピアニスト」★★★☆☆
今年3月にフランスで公開され、「ここ10年の傑作!」と絶賛された映画「真夜中のピアニスト」。私がこの映画に興味を持ったのは、ポスターの中で今までとは違う表情を見せるロマン・デュリスのカッコ良さと、70年代フィルム・ノアールの傑作「マッド・フィンガーズ」のリメイクということだった。「マッド・フィンガーズ」と言えば、ハーヴェイ・カイテル!!「レザボア・ドッグス」や「ピアノレッスン」がきっかけで、一時期ハーヴェイ・カイテルにはまり、彼の出演作を見まくった時期があるのだけれど、「マッド・フィンガーズ」は見ることができなかった。だから、この映画を見れば少しはオリジナルの雰囲気がわかるのでは?と思って見ることにしたのだけれど…。

リメイクであるということを抜きにしても、見ごたえのある映画だった。というか、久しぶりに面白いと思えるフランス映画。舞台は現代のパリに置き換えられているけど、冒頭からヒリヒリした緊張感が伝わってくる。主人公は28歳の男、トマ。彼の職業は不動産ブローカー。といっても、決して人様に自慢できるようなものではない。手に入れた物件に住む不法住民を暴力で追い出しては、その物件を転がして金を稼ぐ。しかし、トマの人生は、偶然、恩師に出会ったことから変化していく。その恩師とは、ピアニストだった亡き母のコンサート・マネージャーであり、トマのピアニストとしての才能を買っていた人物だった。恩師との出会いは、トマが長年抱いていた、ピアニストになりたいという夢を呼び覚ます。そして、オーディションの機会を与えられたトマは、10年振りにピアノに向かう。しかし、彼を受け入れる音楽学校はない。トマを助けるのは、フランス語のわからない中国人女性ピアニストだけ。コミュニケーションがうまくできず、始めはイラつくトマだったが、いつしか2人はオーディションを目指し練習に励む。長い間、心に秘めていた、母と音楽への愛情を貪るように。そして、日陰の人生から逃れるために。しかし、彼が夢を叶えるには、多くの困難が立ちはだかっていた。

この映画は様々な「対比」で、トマの人生を見せてくれる。非常な手段で貧しい不法住人を追い出すブローカーが、心の静寂を保たなければならないピアニストになれるのか。アウトサイダー的な生き方をしてきた父と、ピアニストとして苦悩した母、どちらの行き方を選ぶのか。そして、仲間の妻との不倫と、言葉の通わない中国人女性とのささやかな時間。どちらがトマの心を満たすのか。主人公トマの視線で全てを映し出す手持ちカメラの映像が、無骨なブローカーの夢を、リアルなものへと昇華させていく。

特に、トマ役のロマン・デュリスの緊張感ある演技が冴え渡っていて、「スパニッシュ・アパートメント」の時の子供っぽさはどこへやら。ピアノがうまく弾けず苦悩するシーンや、エンディングで描かれる心の葛藤など、その表情、佇まいは強烈な印象を残し、それがこの作品を現代のフィルム・ノワールに仕上げている。

BLOC PARTYから、バッハの「トッカータ ホ短調」まで、劇中に流れる音楽の「対比」も面白く、個人的には映画の結末が好き。今年のフランス映画を語る上で、はずせない作品です。

| 15:26 | カテゴリー:映画
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