2012年02月27日

J-WAVE TIME TABLE「HEART TO HEART〜WE ARE ONE〜」vol.6

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J-WAVEの被災地支援プロジェクト「Heart to Heart」。
これまでさまざまな形の支援を展開してきましたが
2011年8月から、その一環として番組ガイド「TIME TABLE」でも
ナビゲーターが被災地に赴き、現地で感じた希望を伝えていく企画
「HEART TO HEART〜WE ARE ONE〜」を連載しています。

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第6回目は、は「JAM THE WORLD」で2011年6〜9月にオンエアしていた
被災地の生の声を伝えるコーナー「VOICE FROM TOHOKU」に
ご登場いただいた方々が、いま感じていることを集めました。

※この内容は、「TIME TABLE」2012年2月号の内容を転載したものです。


■千束 諭さん(岩手県宮古市 ホテル「海幸園」オーナー) 

うちのホテルは、復興の工事関係者向けの宿として営業しています。そういった方が宿泊する施設がないということで、震災直後の3月20日から営業を再開しましたが、連日満室が続いています。このあたりでは依然として宿が少なく、復興にあたる人員も足りていないんです。それもあって、復興が目に見えて進んでいるという状況には至っていません。 
うちはこの先10年は工事関係者ばかりでしょうね。いまは震災需要があるからなんとかなっていますが、震災前のように観光目当てとなると大変です。宿としてはもちろん、町としても質を高めて、観光に対するニーズに応えていく必要があると思っています。


■氏家良典さん(宮城県 スーパーチェーン「ウジエスーパー」代表取締役)

震災以前、「ウジエスーパー」は31店舗ありましたが、南三陸町にあった店舗は流失してしまって現在も建築できない状態です。
町に目を向けると、国や県の復興のスピードがゆったりしすぎている気がします。また、失業してしまった方が再就職できないという問題は根深いですね。選ばなければ仕事はありますけど、本当にやりたい仕事はないという声をよく聴きますし、今後のひとつの大きな課題だと思います。
 まだまだ復旧どころか、復興なんてほど遠い状態。ですから、首都圏の方々には被災地のことを忘れずに、これからも見守ってもらいたいですね。


■橘内 修さん(岩手県釜石市 天神町仮設商店街「復興天神15商店街」幹事)

電話で取材していただいたとき、「復興天神15商店街」はオープン直後。その当時はかなり賑わっていたのですが、近隣に同じような仮設商店街が5ヵ所もできたこともあって徐々にお客さんが分散されて、最近は少しさびしくなってきていますね。
 いまはとにかく時間が欲しいです。普段は1日の仕事に追われてしまうことに加えて、被災してしまった土地の始末、社屋や自宅の代わりとなる場所の土地探しもしないといけない。過去、現在、未来というトリプルの案件を追いかけている状態です。
 支援はすでに多方面からたくさんいただいています。ですが、支援で知っておいていただきたいのは、たとえばランドセルを寄付していただく場合に、釜石でランドセルを販売している方たちが音を上げているということ。支援自体はありがたいことなんですが、それによって商いをしている人たちが苦しんでしまっているという現状もあります。寄付いただく際はできるだけ被災地の商店などで購入していただけると、大きな波及効果があるんです。そういった部分で一歩踏み込んだ支援をいただければ、さらにいい影響が出てくると思います。

1_PC305684_convert_20120806204213.jpg厳しい寒さが続く岩手県陸前高田市の仮設住宅


■大森梨江さん(福島県いわき市「 スパリゾートハワイアンズ」ダンシングチーム フラガール サブリーダー)

番組でお話しさせていただいたときは、「スパリゾートハワイアンズ」が休業していたため、全国のさまざまな場所を巡業していました。昨年10月に営業を再開するまでは先の見えない不安がありましたが、各地でたくさんの方にお会いできたこともあり、人の温かさや絆を強く感じることができましたね。
 営業再開から4ヵ月近くが経ちますが、県外・県内ともに思っていた以上にたくさんのお客さまに足を運んでいただいています。個人的にも、ようやく落ち着いてきた感覚はありますが、「ウォーターパーク」の再開と新しいホテル「モノリス・タワー」の誕生に合わせて、2月8日にグランドオープンを迎えるんです。そこでようやくスタートラインに立てるような気がしています。地域の方々からも、「スパリゾートハワイアンズ」が復興すれば街が盛り上がってくる、という声をたくさんいただいていて。いろんなことを発信して地元を盛り上げ、地域の方とも協力し合いながら復興に向けて進んでいくことができたらいいなと思っています。


■石井 肇さん(宮城県石巻市 コミュニティ情報誌『月刊おがつ』元編集長)

復興しつつあるといった声もありますが、実際には震災後少し経って、がれきが片付いたころからあまり状況は変わっていません。最初のころは非常事態ということで、支援や仮設住宅などいろいろな動きがありましたけど、時間が経つにつれて復興が進まなくなってきたような印象です。
 個人的なことでは、番組出演時に務めていたコミュニティ情報誌『月刊おがつ』は編集を外されてしまいました。残念ながら、住民の声をダイレクトに取り上げたいという私の編集方針が、市の意向と合わなかったんです。
 被災地のなかには復興に向けてうまく進んでいるところもあるとは思いますが、石巻では人が少ない集落とかはお金がかからないよう縮小させる動きになっています。私がいる雄勝地区でも病院がなくなってしまい診療所が1軒あるだけ。小学校も3校被災して廃校状態ですが、そのままにする方針をとるようです。行政はいかに効率的に再建するか、ということしか考えていないのではないかと思います。はたして、それが住民の幸せにつながるのかは疑問ですね。


■平坂章子さん(岩手県大船渡市 美容室「絆」店長)

昨年の6月6日から大船渡市内の「オーシャンビューホテル丸森」の一角で県内の美容師仲間7人と一緒に「絆」というお店をやっています。以前は陸前高田に店を構えていたので、またそこでお店をやりたいという気持ちはありますが、今後町に人が残るのかが不安です。復興の見通しが立たないからと言って、引っ越していく人もいるので。市の支援を受けて仮設で自分のお店を始めた美容師仲間もいますが、なかなか難しい。内装を含めた自己負担も大きいですし、あくまで仮設なので何年後かに建て直しや移転をする必要があるんです。そうなると初期費用だけでも大変なことになってきますからね。
 お客さんの印象としては、景気という面でも決してよくなっていませんし、まだ先の見通しが立っていないからか、みなさんそれほど元気な感じは受けないですね。個人的な意見では、漁業などはTVなどで取り上げられるのでみなさんの目がいく機会も多いと思うんですが、美容関係とか小売りはそういったことがほとんどありません。できれば、もっと注目していただけるとうれしいですね。

2_YSD_0202_convert_20120806204543.jpg宮城県石巻市では、集められたがれきの山に雪が降り積もる


■新沼茂幸さん(岩手県陸前高田市「ヤマニ醤油株式会社」代表取締役)

ヤマニ醤油は昨年12月21日、約280日ぶりに営業を再開しました。たくさんのお客さんがうちの醤油を待っていてくれたことと、花巻市の佐々長醸造さんと手を組むことで、なんとか復興することができたんです。全国に6,000ものファンのみなさんがいらして、ヤマニの醤油じゃないとダメ、辞められると困る、といった言葉が本当に励みになりました。
 この先、ヤマニ醤油がうまく軌道に乗れば、陸前高田発のブランドとして展開して、売り上げの一部が陸前高田に入るような仕組みにしていきたいと考えています。やはり最終的な目標としては、陸前高田の役に立ちたい。震災直後は絶望していた人も多いけど、東京に住んでいて震災後に陸前高田に戻ってきた人もいる。夢をもった20、30代の役に立てるように、何かしら支援ができればいいなと思っています。


■赤川郁夫さん(宮城県気仙沼市「気仙沼市役所」総務課長)

「JAM THE WORLD」に出演した際にお話しした「池田ふれあいの湯」は、もともと産業振興支援の一環で設置されたものでした。気仙沼ではカツオの水揚げが多いということで、その漁船の乗組員が入るお風呂という目的があったんです。ほかにも、ボランティアで来られた方々に利用いただくなど、非常に好評ではあったのですが、カツオの水揚げの終了にともない、12月の上旬で営業も終了しました。
 全国から非常にありがたいご声援をいただいておりまして、復興に向けて全力で取り組んでいるところです。これからも引き続き被災地に目を向けていただき、町の元気な姿を届けられればと思っています。

写真/安田菜津紀(studioAFTERMODE)


Heart to Heart STAFF| 20:15 | カテゴリー:TIME TABLE


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