2015年06月15日

亀田文庫「武道館」(朝井リョウ)

こんにちは!亀田誠治です。
BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA
この番組は、人々に愛される曲、
メロディの裏にはどんなストーリーがあるのか?
そして、その曲が愛されるのには、
どんな秘密があるのか?
毎日、レコーディングやライブで
音楽に接している、僕、亀田誠治が解き明かそう!
そんな番組です。

普段何気なく聞いているアノ曲、
昔から耳にしていたヒット曲の知られざるストーリー。
今の音楽シーンとどんなつながりがあるのか?
僕と一緒に探っていきましょう!


第625回目のテーマは…

亀田文庫「武道館」(朝井リョウ)

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亀田文庫の文庫は、学級文庫の文庫!
ミュージシャンが奏でる音楽を聴いて、感動するのと同じように
素敵な言葉を読んで感動する…
そう、思いを伝えるという意味では、
「音楽」と「文学」はとても似ていると思います。

一冊の本から、素晴らしい言葉をご紹介する「亀田文庫」。
今回、僕の書斎にある「亀田文庫」から、ご紹介する一冊は…
朝井リョウさんの「武道館」です。

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朝井リョウさんは、
1989年生まれの26歳という若い世代の作家さん。
早稲田大学在学時に「桐島、部活やめるってよ」で、
小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
この作品は、映画化されロングラン上映されるなど
大きな話題になりました。

その後、「もう一度生まれる」「何者」
「世界地図の下書き」など続々と発表。
2012年に発表された「何者」では、直木賞を受賞しています。

そんな朝井さんの最新作が、先日、
文藝春秋から出版された「武道館」。

実は僕、朝井さんとはお会いしたことがあって…
SEKAI NO OWARIがセカオワハウスでやるパーティーで
昨年夏、偶然お会いして、朝井さんも音楽好きで、
話が弾んでたくさんお話しをしました。

さて、この「武道館」の簡単なあらすじですが…
結成当時から「武道館ライブ」を
合言葉に活動してきた女性アイドルグループが
知名度を上げ、目標に近づくために、様々な手段を講じていきます。

しかし、知名度があがり注目を集めるということは、同時に
ネガティブな反応・注目も集めることに…

SNSやファンとの交流会で四六時中ファンとつながっている、
そして、CDが売れない時代に
どうやって目標に向かって進んでいくのか
現代のアイドルが向き合う日々をリアルに描いた「武道館」

ここで1曲お送りした後、この作品、
そして浅井リョウさんの魅力、お話しします。

映画「桐島、部活やめるってよ」主題歌…

M. 陽はまた昇る / 高橋優

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「FM KAMEDA」、今日は「亀田文庫」、
朝井リョウさんの「武道館」という作品をご紹介しています。

ここで描かれているアイドルの世界は
ほとんど現実の音楽業界の中で起こっていることです。
朝井さんは、アイドルが生まれて、
ヒットしていくまでの様子を見事なまでに
リアルに描ききっています。
レッスン、リハーサル、レコーディング、
リリース、ライブ、握手会などの様子、
つまり、今の音楽業界の人の動きの仕組みを
よほど勉強なさった上で執筆されたのではないかな。

よく、この手の業界ものって、
我々、プロから見たら、
「うそだろー!こんな人いないいない」とか
「こんなこと、あるわけないない」
というツッコミどころ満載なんですけど、
この「武道館」にいたっては、そんな
煽りが入った&盛った話が全然ないんです。

さらに、アイドルの世界だけでなく、
現代の一般の家庭の中におきる、
さまざまな幸せ、悲しみ、たとえば
両親の離婚などの問題にも、
さわやかに踏み込んでいます。

もしかしたら、これは、
「自分にも起こること」かもしれない
という、普遍的な人間模様が、
この小説の中心に静かに流れているのです。

僕が一番印象に残った言葉は、
主人公の愛子が、好きな人との関係、
そしてファンとの関係、メンバーとの関係、
つまり、自分の夢である、
アイドルであることにつかれてしまった時に、
同じグループの親友、碧にこういいます。

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「でも、武道館は…」
「…人は人の幸せを見たいんだって、そう思わせてくれる場所だよ」
「あそこは、そんな、素敵な場所だと思う」

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と、小さい時に剣道の試合を見に行った時の「武道館」と
今、自分たちが、さまざまな問題にもまれながら、
アイドルとしての舞台として目指している
「武道館」にかさねわせるところが見事です。

音楽家にとっても武道館というのは夢の場所なんだけど、
その武道館にまつわる色んなことが起こって、
でもなんでみんなが武道館でやりたいのかっていうのは、
実は音楽の神様がいるわけでなく、
人は人の幸せを見たいんだって思わせてくれる場所なんだ…
という結論に、僕は本を読んでいて泣いてしまいました。

朝井さんは、
夢を追いかけることの大切さ。大変さ。
そして、何よりも、人を好きになることの素晴らしさ。
を教えてくれます。

アイドルだって、誰だって関係ない。
人を好きになるというこが、
一番の「生きている」証なんだということを。
そして、
ほんとうに大切な物は、
CDの中でもなく、ネット上でもなく、ステージ上でもなく、
自分の心の中にあるんだということを教えてくれます。
この本を読んだ人は、
「ありのままの自分の気持ちにしたがうことの尊さ」から
きっと大きな勇気をもらうと思います!

「亀田文庫」、今回は文藝春秋から出版されている
朝井リョウさんの作品「武道館」をご紹介しました。

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「BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA」、
明日は、THE ROAD TO THE BASS DAY、
ゲストにベーシストのKen Ken を迎え、
ベース談話たっぷりお話しします!

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亀田誠治オフィシャルサイト『亀の恩返し』では、
動画やリリース情報などなど
最新情報が載っていますので、ぜひチェックを!

STAFF| 13:54 | カテゴリー:BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA


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