2013年05月20日

測っていいとも!

こんにちは! 亀田誠治です。
「BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA」。

この番組は、人々に愛される曲、
メロディーの裏にはどんなストーリーがあるのか?
そして、その曲が愛されているのには、一体どんな秘密があるのか?
毎日レコーディングやライブで音楽に接している、
僕、亀田誠治が解き明かそう!
そんな番組です。

普段何気なく聞いているアノ曲、
昔から耳にしていたヒット曲の隠れざるストーリー、
それらが、今の音楽シーンとどんなつながりがあるのか?
僕と一緒に探っていきましょう!

第223回目のテーマは…

測っていいとも!

測っていいとも…!
そう、今日は、音楽にまつわる「単位」のお話。

例えば、ベートーベンの「第九」。
この演奏時間、だいたい70分前後なんだそうですが、
この「第九」を収めるために
コンパクト・ディスク=CDの収録時間が74分に決まった、
というのは有名な話。

そして、最近またジワジワと人気を盛り返しているアナログ・レコード。
LP1枚の重さって、何グラムだかご存知ですか?

正解は…
だいたい130グラム!

でも、最近はマニアや音楽ファンの間で
「180グラム重量盤」というのが人気なんです。
盤が重くなることで、安定して音質が良くなるんですね。
そんなことから、ロックやジャズの名盤が
次々と「180グラム重量盤」のアナログで再発売されています。

いきなり、こんな「単位」のお話から入りましたが、
今日、5月20日は「世界計量記念日」。
1875年に「メートル条約」が締結されたことに由来しているそうです。
ほほう!

というわけで今日は、
音楽の世界における「測る」についてお話しましょう。

まずはBPM!
演奏する側からすると、曲のテンポというものがあります。
以前、お話しましたが
東京事変の「能動的三分間」という曲は
BPM=120というテンポで90小節演奏。
そうすると…ジャスト3分間になる、という計算で作られています。

いま、出てきたBPM(BEATS PAR MINUITE)というのは
1分間に何拍刻むか?
という「単位」です。
逆に言うと、これを元に、
曲のテンポを、演奏者同士で共通理解するわけです。

でも、なんでも数字で測れるのか?
音楽は数字だけで割り切れるのか?
というと…
そうではありません。
では、僕たちミュージシャンはどのように「数字」を読み
「単位」と向き合っているのでしょうか?
お答えしましょう!

■音量

一番身近な例でいうと音量です。
まず、ギターなどについている、ボリューム。
0から10まで目盛りがついています。
我々は10を「フルテン」とかいいますが
1の目盛りがフルテンの10分の1の音量とは限りません。
あくまでも、10分割は目盛り、目安で、
実際の音量は自分の耳で確かめるしかありません。

音量でもう少し言うと
音量の単位でdb(デシベル)というものがあります。
よく、駅の前なんかで騒音を測るやつです。

やっと聞こえるかすかな音量を基準に
これを0dbと決める。
この強さの10倍が10db、100倍が100db。
これは難しい数式なんですけど、
たとえば、3db上げると
これが、体感上の音量は1.4倍の大きさに感じるんです。
ちょっと実験して聞いてみましょう!

(1) 57dbのピアノ音
(2) 60dbのピアノ音

ちょっとだけ大きく感じるでしょ?
違いわかりますか?
ですから、これも絶対値としての目盛りがdbであって
そこから先は、耳で聞いて確かめていくしかないんです!

なので、スタジオでは結局
「ギターソロをガッツリ上げてー!」
「コーラスをハナ毛1本分くらい下げてもらえます?」
なんて、超ゆるい、「気持ち」の単位がよく使われています。

そして、もう一つ大切な単位があります。

■ノリ

数字で割り切れない“ノリ”もあります!
通常、我々のレコーディングでは、1拍を960分割しています。
1. 2. 3. 4、この1を960分割。
結構細かいでしょ!?
これによって細かいノリを調整するのですが、
これだけだと、完璧なノリは作れないんですね。
人間の持っている揺れ、揺らぎというのは、もっと有機的なんです。
もっと細かいスポットを感じることができる。

ちなみに80年代、ニュージャックスイングが流行った頃は
今ほどコンピューターの解像度が進んでおらず、
1拍を96分割しかできませんでした。
だからこそ、あのカチカチとしたスイング感が生まれているんです。
ちょっと聞いてみましょう!

(1) 完全にハネたニュージャックスイングのドラムパターン
(2) 同じパターンでスイングしていないもの

(1) のカチカチタイトなスイング感!に比べ、
(2) だと「ノリずれぇ!踊れねぇ!」って感じませんか?

今の技術では、これほど微妙なノリが調整できるということです。
でも、ニュージャックスイングには、
ニュージャックのカチカチのスイングの魅力があった。
やっぱり、音楽は「感覚」!
数値の解像度を上げていけばよい、という問題ではないんですね。

さあ、こちらも96分割しかできなかった頃のスイング感。
でも、歌のグルーヴと表現力や、生の楽器のグルーヴが
曲に素晴らしい息吹を与えています。

M. I'll Be Good To You / Quincy Jones with Chaka Khan and Ray Charles

Back on the Block - Quincy Jones

結局、最後は
人間のアナログな感覚なんですね。
だから、これからはハートの熱量を…

測っていいかな!?
いいとも!!


「BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA」。
今日はこんな形で「音楽にまつわる単位」についてお話しました。
結局は、「気持ち」の単位がわかりやすいようで、
僕も今から、マッハで次の現場に向かいま〜〜〜す!

そしてこのコーナーでは、
皆さんからの「音楽のギモン」をお待ちしています。
僕に聞きたい事がある人は、この番組の応募フォームから送ってくださいね。
明日は、そんな皆さんからの「音楽のギモン」にお答えします。


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STAFF| 14:02 | カテゴリー:BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA