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2018年06月30日

BOOK STAND 写真家の小林紀晴さんが登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。

今週は写真家・小林紀晴さんの登場です。
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デビュー作であり代表作でもある『アジアン・ジャパニーズ』は、小林さんが23歳の時にアジアを旅し、海外に定住する日本人を描いた作品でした。
最近は日本全国の奇祭を記録したりもしてます。写真と散文で構成されている平凡社から刊行されている最新刊『見知らぬ記憶』は、新境地を開いたと評判です。
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今回BOOKSTANDでは、小林紀晴さんがくり返し手に取り読んでいるという本を紹介してくれます。
今夜はその2冊目です。

繰り返す記憶の旅
今夜は詩人・金子光晴の「女たちへのいたみうた」という詩集です。
金子光晴という人はもう亡くなってるいる詩人ですが、
アジアを多く旅して、そのアジアを旅する中で書かれた詩を中心に「女たちへのいたみうた」という本の中にいくつか収録されている、そういう詩集です。
たとえば「南方詩集」という詩とか「ニッパ椰子の唄」という詩が割と好きなのですが、これらはマレー半島を金子が旅しているときに書かれたものです。実際私もバハトハというすごく小さい町があるんですけども、ほぼ誰も知らないというかよっぽどのもの好きじゃないと行かないような町なんですが(笑)金子光晴の詩とか、違う本の中に出てくるので訪ねて行ったことがあります。
「南方詩集」という詩ですけど・・・


神経をもたぬ人間になりたいな
本の名など忘れてしまひたいな

女たちももうたくさん。
僕はもう四十七歳で
近々太陽にあたりたいのだ。

軍艦鳥が波にゆられてゐる。
香料列島が流し目を送る。

珊瑚礁の水が
舟の甲板を洗ふ。

人間のゐないところへゆきたいな。
もう一度二十歳になれるところへ。

かへつてこないマストのうへで
日本のことを考えてみたいな。

(金子光晴の「女たちへのいたみうた」より原文ママ)

これはおそらく47という数字が出てくるので、47歳の時に書いた詩だと思うんですが、若いころを振り返って、記憶を旅しているような・・・実際20歳には戻れないんですが。20代の頃から呼んでるんですが、当時はあまりこの詞はピンと来ていなかった・・・割とこれは最近好きになった詩で。今自分が50歳なんですが、この年齢に近いので、その心境がわかるような、なんかそういう気持ちになります。

BOOK BAR staff| 22:24 | カテゴリー:BOOK STAND


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