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Candle JUNE - キャンドルアーティスト -
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ロウソクと物作りが僕には結びつかなかったなあ。(葉加瀬) キャンドルを作り始めたきっかけは? 未だにあまり上手くいえないんですけど、僕がクリスチャンの家庭で育った事が大きいと思うんですけど「人間とはなんぞや?」という課題を小さい頃からずっと持っていて、それを一番表現してくれるものがロウソクが大きかったのと。 はい。 あと10代から一人暮らしをしていて、意外と1人で生きていくのは大変だなと思ったんですね。家に帰ったら食べ物がある環境ではなく「稼がないといけない」と思った時「そこまでして生きる意味はあるのか?」と考え始めてしまって、自分が何者であるか徹底的に考えようとしたんです。 いくつの時ですか? 18歳位ですね。その時に、最終的な選択肢として生きるか死ぬかとなった時に「自分の死に悲しむ人がいる。人間として最後の作品に“死”を作るはない。じゃ生きるか」と。 なるほど。 そして、どう生きるべきかと考えると「ファッションや住まいやバイク・車、今の日本人は揃えなくちゃならないものがたくさんある。それをやめて、その空間を自分で演出して、自分自身と向き合いやすい空間にしよう」と考えた時、音楽やライティングにこだわっていったら、ロウソクが自分との会話をするパートナーとしてすごく良い存在だったんです。 うん。でも、その時は既製品のロウソクを買ってきたわけでしょ? はい。 僕も16歳の頃から一人暮らしを始めて、何もする事がなくて照明をいじって落ち着く空間や時間を作りました。僕もロウソクを炊く時間が長いんですけど、でもロウソクと物作りが僕には結びつかなかったなあ。 当時も「いいなぁ」と思うロウソクは値段が高いし、もったいないじゃないですか。それで使っているうちに、残ったロウソクを溶かして自分で作り始めていったら、意外と面白かったんです(笑)。 ははは。 僕の家庭では、生きることは物を作る事だったのもあって。 お父さんはバイオリンを作られているんですよね。 そうですね。食べる事とは何かを作る事、というのが自然になっていたんです。自分と向き合って内なるものを作品として何かを作る事はあったんですが、絵画などは残っていくじゃないですか。でもロウソクは灯したら、なくなると。 あぁそうか(笑)。 だから、人にプレゼントしてもいいなと思ったんです。自分の内面を絵に描いて誰かにあげても怖がられるんじゃないかと(笑)。“大切にしている時間と空間をロウソクで表現出来て、なくなってくれる”というのが良かったんです。 なるほどね。 |
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「自分が生まれた日本をもっと知るべきだ」と旅を始めたら、結果的にアメリカに辿り着いた。(JUNE) キャンドル・オデッセイというのは2001年スタートされたんですね? はい。 平和の火を灯すという事で2002年にアメリカ。ロスから色々な所を回ってニューヨークまで、40日間の旅。きっかけはなんだったんですか? 9.11のNY同時多発テロがきっかけなんですが、その前の2001年6月に広島の聖なる音楽祭というダライ・ラマが呼びかけた“聖なる音楽祭”があった時に“平和の火”という今も灯し続けられている火を「期間中、灯してくれ」というオファーを頂いて灯したんですが、自分は消す事にしたんですよ。 はい。 広島で灯したロウソクをまた次の場所で灯して行こうと思い、広島や長崎に行ったり日本を旅していたんですが9.11が起きて、その時の日本のリアクションが、僕の思い描いている「こういう日本であればいいな」というイメージと随分違う気がしたんです。 なるほど。 でも、日本の政府に反対する事よりも「自分が行った広島や長崎の悲しみが生まれた場所で灯したロウソクを、同じように悲しみが生まれているところがあれば、行って灯したいな」と思ったんです。そう思った時にもう一度、広島や長崎を巡ったんです。その時長崎で出会ったおばあちゃんが、ちっちゃく折り曲げた千円を握らせてくれて「だったら、これでロウソク作って私の分まで灯しておくれ」と託してくれたんです。 うん。 本来だったらアメリカが落とした原爆で今も悲しい事が起きている長崎の人なのに、逆にアメリカにも同じような悲しむ家族がいるから、何かしてあげたいという気持ちを託してくれたから、アメリカに行く事を決めました。 その一言で行くと言っても大変な事だよね? そうですね。でも、自分独りで持てる範囲のロウソクを灯そうと思っていたんですが、あの事件が相当ショッキングだったせいもあって、色んな友人が集まってくれたんです。 ロサンゼルスからニューヨークまで車でと言うと、正しくアメリカ横断ですよね?大変だったんじゃないですか? えぇ。レンタカーに乗っていて、初めは「ニューヨークで乗り捨てて帰ってくればいい」と思っていたんですが、金銭面で考えたらロスまで戻った方が安いという事で、実は往復してるんですよね(笑)。 横断じゃなく往復してるんだ!(笑) 帰りは4〜5日間位で戻ったんです。 ひたすら戻る事だけだね。 はい。あと、ニューヨークで灯したロウソクをそれまでに出会った人達に渡して行く事もして。 そうですか。途中でネイティブアメリカンの街にも寄られたんですって? はい。18〜19歳で自分が悩んでいた時に、ネイティブアメリカンの人達の教えが凄く影響を与えていてくれたんです。 なるほど。 普通だったら、その時すぐに「アメリカに行きたい」と思うかもしれないんですが、僕は「あの人達はあの土地で生まれて意味がある事をしているわけだし、自分も生まれた日本をもっと知るべきじゃないか」と日本の旅を広島や長崎で始めたら、結果的にアメリカに辿り着いて。 そうですね。 行ったからには「ネイティブの人に会いたい」と思っていて、そうしたら、人の繋がりで、メディスンマンという部族のチーフの方に会えたり、特別なセレモニーを開いてくれたり、普通では入れさせてくれない様な所に入れさせてもらって、ロウソクを灯して祈る事が出来ました。 素晴らしいですね。 | |||
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中国の平和資料館の館長さんが「お前のやる事はバックアップする」と。それからは「どんどん飲め」で(笑)。(JUNE) 今年の8月は中国へ行かれた? はい。終戦60周年という事で、以前は“やられた”歴史、広島や長崎を回っていたんですが、それには原因があるはずで、日本も近隣アジア国に酷い事をしていたんで、早く終戦記念日にどこかへ行きたいと思っていたら、色んな人の出会いで中国へ行ける事になって。中国には日本軍が置いてきてしまった化学兵器で今でも亡くなっている方がいるので、その場所へ行ってきたんです。 チチハル・ハルピン、北西部ですね。キャンドルを灯し始めてからお酒は断っていたんですって? はい(笑)。 中国では解禁されたそうで(笑)。 はい。今でも一応断ってはいるんですけど、戦争やテロ的な戦争が終わるまでお酒を断とうと。前は相当の酒飲みだったんですけど。 あはは。 1日9時間位飲む時間と、1日1万円位かかるお金を旅に方に費やそうと思っていたんですが、中国の平和資料館の館長さんや青年団長さん達が集まってくれて「お前は素晴らしい!」と受け入れてくれたんです。「お前は日本でも少数派だろうけど、わざわざここに来てくれた事が嬉しい。お前のやる事はどこでもバックアップするから」と言ってくれたんです。何十年か前の親戚のおじちゃんに囲まれたみたいで。 分かる分かる(笑)。 そこで一緒にご飯を食べようとなって「どうしても乾杯がしたいんだ」と言われた時に自分はこういう事情で酒を断っているとはいえ「今この時間が平和への第一歩じゃないか。平和の杯を交わさなくてどうする!」となって、それも一理あるから「じゃ一杯だけ」となって。 はい(笑)。 酒を断ってから3年位断っていたんですが、老酒みたいな白い30度位の酒を出されて。 白酎ですね。 はい。「乾杯」というので一気に飲み干せばキリがいいなと思い、一気に飲み干したら「お前は飲めるじゃないか!」と言われてしまって。それから「どんどん飲め」で(笑)。 杯を置いちゃいけないんだもんね(笑)。 仕舞いには「タバコも吸え」と言われて、タバコも6〜7年やめていたんですが、仲良くなるためにもと思ってやりました。 親善大使としてはね(笑)。でも、本当に色んな地域で反応は違うと思うんですが、予想外だったという反応はありますか? 意外とお坊さんと思われる事が多いですね。平和の為の旅をやっていて、というストーリーを話しているからだと思うんですが。 僧侶だと思うんだ(笑)。 宗教家にならないように一生懸命頑張らないといけないですね(笑)。 あはは。でも宗教家というかそういう発想はないんですか? 自分の中でいかに宗教家にもならず、活動家にもならず、アーティストにもならず、キャンドルメーカーとして出来るスタンスをキープするかが今の課題になっています。 それは思想を持たないという事ですか? 自分までステージに上がりたくないというか、ガンジーやら、マザーテレサやミュージシャンや映画監督にしても色んな人がメッセージやこういう風に生きて行けばいいんじゃないかという事はたくさん言って来ているので、もう充分だと思っていて。 えぇ。 それをそろそろ実践しようと。「戦争が嫌だ」という事よりも「もう繰り返す事にすら飽きた」と思っているから違う世界を見てみたいし、感じてみたいです。 なるほどね。 | |||
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平和のキャンドルを灯す事とファッションショーでキャンドルを灯す事に差はありますか?(葉加瀬) 今年の9月には、パリコレにも招かれたそうですが、ファッション・ショーで灯すのと、平和を求めて灯す活動、両方されていますよね。 最近は「戦争反対」と言うよりも「戦争を終わらせる」と言うようにしているんですよ。皆「終わらないよ」と言うので「じゃあどうすればいいかな?」と聞くと意外と答えられない。「あの国はどうこうした方がいい」とか、話を大きくしてしまうんです。 はい。 で、自分が出来る事は、たまになんですがロウソクを灯して、いい空間といい時間が出来た時は少なくてもそこに居る人達は、間違いなく平和を感じていると思うんです。その空間とその時間をより多く作れば、点が線になっていくかなと思っているんです。 そうですね。 でもそれは、それぞれがそれぞれにしか出来な事があるはずだし「自分はこういう事をやっているけど」と言うと「じゃあ俺にも何か出来るかな」という人達が繋がっていけばいいと思ってます。 なるほど。平和のキャンドルを灯す事と併行して、ファッションショーでキャンドルを灯すという事に差はありますか? 一緒ですね。そうありたいと思っています。去年アフガニスタンに行けたのもプラダというブランドが大きなお店を出して、そのオープニングパーティーの為にたくさんのロウソクを作ったりしたんですが、セレブと言われる方達が楽しんでいるパーティーで灯して、次の瞬間はアフガンの山の子供達の中で灯す。それは失礼かも知れないけど自分の楽しみというか。 イメージとしてはとても分かりますね。 その方が大事だなと思っていて。自分が平和活動でいっぱいいっぱいになって、他の事をしない姿を見せる事の方が平和じゃない気がして。 そうですね(笑)。だってルイ・ヴィトンもプラダも幸せの象徴だもんね。それを祝福し、悲しみの現場でも悲しみを響かせる火を灯すのは両方見ないと分からない事ですもんね。 そうですね。 JUNEさんはキャンドルを灯す事で何を求めてますか? 自分の中では、いつかキャンドル・オデッセイを終わりにするつもりなんです。争いのあった所を灯し終えたくて、世界中どんどん灯して行くんですけど、最後は漠然となんですが、万里の長城で灯したいんですよね。 ほぉ。 世界中の戦争が終わった時に、万里の長城に集合して、色んな人種、色んな世代がロウソクを灯す事を自分は空の上か宇宙から見てみたいと思っているんです。 あはは、凄い。 | |||
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大切な人とロウソクを灯して自らがイルミネーションになる、そんな時間を過ごしてもいいんじゃないかな。(JUNE) 11月11日に代々木上原にショップをオープンされた。 はい。お店を作りました。 ここでは何が買えるんですか? 一応、ロウソク屋と言っているんですが、ロウソクだけではなく、友人の特別な水晶や、世界を旅をしていい物作りをしている友人の物や、シャーマニックな骨董品のような物など、自分の周りに集う友人のお店になっているんです。 勿論、主商品としてロウソクも売っているんでしょ? はい。売ってます(笑)。そう言っておかないと (笑)。 JUNEさんは、ロウソクそのものをデザインしていますよね。他とは違うところは? 石が好きだったのもあるんですが、自分の中では色んな形を作らず、匂いも付けず、色の展開で留めておきたいんです。あまり懲りすぎるともったいなくて使わなくなっちゃうじゃないですか。 そうですね。 それより大切な人との時間を灯すとか、誕生日に灯すとか、なるべく灯しやすいものにしたいんです。 なるほど。引き出しの中にしまわれちゃ困るわけだ。 出来れば灯して欲しいですから。 持っていてもいいですか? いいです(笑)。 キャンドルは両方あるものね。買ってきたけど綺麗だから付けない、というキャンドルありますよね(笑)。でも、工芸的な美しさではなく、ともかく灯して欲しいんですね? どんどん灯して欲しいです。 溶けていく、その炎の時間に意味があるという事ですね? そうですね。 さて、もうすぐクリスマスですが、JUNEさんがお勧めするクリスマスの演出はなんですか? よく言っている事なんですが、街中クリスマスのイルミネーションやら色んな物が溢れているじゃないですか。 日本は10月の末から始まりますからね(笑)。 実際、自分も仕事でしてはいるんですが(笑)。自分があえて薦めるのは、家で電気を消してロウソクを灯してみたり、都会のイルミネーションは綺麗なんですが、逆にイルミネーションの無い暗い公園に行って大切な人と1本のロウソクを灯して、自らがイルミネーションになる、そんな時間を過ごしてもいいんじゃないかなって思います。 クリスマスは静かな方がクリスマスっぽくて、一番贅沢だよね。でも「静かなクリスマスもいいんじゃないの」というのは時代の気分だと思うんだよね。20年前ならそんな事言わなかったじゃない。バブルの頃なんて幾らお金使うかが勝負だった、今はきっとそういう時代じゃないね。 そんな気がします。 さて、旅のお話ですが、近い予定でどこか行く所はありますか? 夏至の日と冬至の日に「100万人のキャンドルナイト」が全国であるんですが、今度の冬至の日22日は大阪の色んな場所がライトダウンされるらしく、そこに呼んで貰っているので、大阪の街中で、天気が許してくれれば、灯します。 いいですね。 あと、出来れば来年、ニューヨークのテロ事件から5年経つのでもう1度、アメリカの同じ所を巡りたいのと、そのニューヨークで灯して、そのロウソクを、オークションで皆に買って貰えるのであれば、お金に変えて、アフガニスタンに持って行きたいなと思っています。 素敵ですね。叶うことを願っています。 | |||
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