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書くに値するものというのは、
きっと言葉を失わせる程の何かでないと、書くに値しないんだろう。

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PROFILE
 
 
 村山由佳 - 作家 -
1964年東京生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業後、会社勤務、塾講師、有線放送アナウンサーなどを経て、90年、花の万博記念全国環境童話コンクールで『いのちのうた』が大賞に選ばれ、絵本になる。93年『天使の卵〜エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年「星々の舟」で、第129回直木賞受賞。 著書に『翼』『BADKIDS』『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズ、『すべての雲は銀のノ』『永遠。』『きみのためにできること』、自身の田舎暮らしをつづったエッセイ集『晴れ ときどき猫背』などがある。

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“地平線か、水平線が見える国”ばっかり行ったんです。 (村山)

村山さんは旅がお好きだと伺ったんですけど。旅というのは小説の為の取材旅行ですか? それとも普通のプライベートの旅も多いんですか?

プライベートで行こうと思っても、結局仕事になっちゃうんですよね(笑)。

そういう事ですよね(笑)。

何か素敵な体験をすると、それをみんなにも伝えたくなっちゃって。そうすると作品にするしかないわけで。この仕事に就いて何が1番損をしたかというと、“純粋に何かを楽しめない”ということ。

ハハハ(笑)!

いつも「これは、どう書こう?」とか(笑)。

自分が何を見ても、どういう経験をしても「これをどういう風に小説にしたら面白いだろうか?」という事になっちゃう?

そうなんですよ。「ネタになる!」とかね。

いつも?

さもしいですね。嫌ですね〜。

いわゆる“ネタ帳”と言ったら変ですけど、メモみたいな物はお持ちなんですか?

いえ、もう頭に。

心に焼きつけていくんですね。

でも上手くいくと、最後までスルスルと小説になっちゃう時もあるんですけどね。だから旅の間はそういう拾い物ばっかりで。

拾い物ね。僕も曲を書いている人間としては、何を見ても何を聴いても「アッ、使えるな」ってなりますね。

やっぱりそうですか!

「これは、何か面白い事になりそうだ」っていう気はしますけれどね。これまでに訪れられた国というのは、どういう所がありますか?

一言で言うと“地平線か、水平線が見える国”ばっかり行ったんですよ(笑)。

素敵ですね。

それは自分の好みもあると思うんですけど。どちらかと言うと“そこに取材に行って、何かを書く”というよりも、“行きたいから! 書きますから行かせて!!”みたいな(笑)。

そうかそうか(笑)。“地平線か、水平線”がテーマというのは、初めてそういう言葉を伺いましたけど素敵ですね。

“広いものが、見たい! 大きいものが、見たい!”。大きなものを見ていると大きな事が書けそうな気がしちゃって。それで海をテーマに書く時に、オーストラリアに行ったんですけど。あとアフリカ・ケニア辺りとか。

もう果てしなくデカいですね(笑)。その“地平線・水平線”というのは、世の中にたくさんありますが。いま伺った2つ。オーストラリアにしてもアフリカにしても、最大級じゃありませんか(笑)。

あとはアリゾナの荒野の辺り。サボテンばっかりとかね。

そういうのを見て、そこからまた作品が生まれるんですね。恋愛小説だったり青春小説で、“街”がテーマのものが多いですよね? それはそういう所からインスピレーションが、たくさん出てくるわけですか?

そうですね。出かけていったら、まず裸足で地面を踏むんですね。そうすると、別にオカルト的な事を言うわけでも無いんですが、何か大地のエネルギーみたいなものって、その土地その土地で違うんです。それで、自分にピタッと来てくれると、「アッ、これはちょっと良いものが書けそうだな」とかね。

それとリフレッシュが出来ますよね。「裸足で大地からエネルギーみたいなものを…」とおっしゃっていましたが。僕も小さな事なんですけど、例えばお正月に家族でハワイに行く。そこのビーチで、普段履いている靴を脱ぎ捨てて裸足でいるだけで、本当にいろんなストレスが抜けていくし。何か地球のエネルギーを頂くというところがたくさんありますもんね。

ありますね。靴を脱いで裸足でいるだけで、自分の蓋が外れるような感じになるんですね。それで、どんどん流れ込んで来るみたいな。

なるほどね。



鴨川で農家として暮らしているんです。(村山)
まさに西部劇の家みたいな状態なわけね。(葉加瀬)

フェニックスという街。名前からして「南国!」って感じがするんですけどね(笑)。

本当にそうですよね。

フェニックスには、僕もセリーヌ・ディオンのツアーで行きましたけれど。とってもリゾート感が溢れる街ですよね。ここは地図無しでも行けるくらい得意な街?

えぇ。と言っても2回行っただけなんですけど。でもその都度10日くらい、レンタカーでずっと巡っていたので。

それは、もうバッチリですね(笑)。

街が碁盤の目の様になっていて。地図を見ると東西に走っている道路には<トーマス・ロード>とか<リンカーン・ロード>って、大体大統領の名前が付いていて。縦に走っている道路には番号が付いているから。もう電話帳見て行きたいお店とかがあると、それだけで行けちゃうんですよ(笑)。

京都とか札幌みたいに(笑)。

そうなんですよ(笑)。

あれは本当に便利なんですよね(笑)。ああいう風に初めから街が出来ているとね。

ねぇ。だから、もう後は大丈夫というような。

10日ずつとおっしゃいましたけど。何か取材旅行も兼ねていたんでしょうが、買い付けにも行かれたそうで。これは、何を買い付けに行かれるんですか?

現在、家で農場をやっているんですけど。

農場ですか? これは日本でですよね(笑)?

日本、日本(笑)。鴨川に住んでいまして。鴨川と言いましても、京都のではなくて。房総半島の千葉県の鴨川なんですけど。家は、名目としては“農家”になれまして。農地を取得する事が出来たので、そこで馬を2頭飼っています。

そうなの!?

サラブレッドとか、そんないいのじゃないんですよ(笑)。自分が乗る為の馬と、その馬が産んだ子供と。あとは、猫とか犬・うさぎ・鶏とか。

鶏とか(笑)。本当に農場だ。

そう。あと畑もあって。

それじゃ、自給自足も出来るんだ。

お米も作っているんで。

すごいですね! もう買い物に行かなくても?

そうなの。

卵も毎朝?

毎朝、産んでくれるし。

アラララ…。

鴨川は海の側ですから、お魚はその辺ですごく安く売ってるし。

すごい(笑)。本当ですか?

そうなんですよ。

そういう生活を毎日基本にされて、創作活動もそこで?

そうなんです。今までも鴨川に住んでいたんですけど、その農場をもっと面倒みたい為に、「農場の中に家を建てよう!」と。「せっかく馬もいる事だから、この際、西部劇に出て来る“牧場の家”みたいな、そういう家がいい!」「それなら、アメリカに物を買い付けに行くのが、1番安いか」という感じで(笑)。

なるほど。

アメリカの中で、フェニックスに行ったのは偶然だったんですけど。降り立ってみたら、あそこはリゾートの街だから別荘がいっぱいありますでしょ。それで、別荘でみんなが心地よく住む為にD・I・Yでいろいろ手を加えるから、D・I・Yショップがものすごく充実しているんですよ!

なるほど。日本で言う所の“ホーム・センター”ですよね。それも向こうはデカいから(笑)。

デカいから、「あのライトを取ってちょうだい」と言うと、もうクレーンみたいので人が上がっていって、上から降ろしてくれるという(笑)。

わかります(笑)。

オペラグラスで品番を見ているみたいな世界なんですよ(笑)。でも本当に安くて。日本で買うような、ちょっとしたシャンデリアなんていったら、「何これ?」というようなお値段がするのに、向こうだと20ドルとか。

家具とかに関しては、向こうは破格の値段ですよね。逆に日本が高いんでしょうけど。欧米に行くと「何だこりゃ!?」って思いますもんね。

そうだと思います。

また良い物が置いてありますもんね。

そうそう。

インテリアとか、家で使う家具なんかを揃えに行かれたんですね。

メキシコのアンティークの木戸を、そのままテーブルにしちゃったものとか、そういう品物もあって。「まだ鍵穴付いてるよ」みたいな(笑)。そういう物を買い付けたり、家のドアを作ってもらったりとか。そういうのを、木箱の大きいお風呂みたいなコンテナ、20箱分くらい(笑)。

それはすごい(笑)! という事は、鴨川の御自宅というのは、まさに西部劇の家みたいな状態なわけね。

そうなんです(笑)。

もう“農家”と言っても、アメリカの“FARM”が出来上がってるんですね。

そういう感じですね。


小さい頃は、ネイティブ・アメリカンの人のお嫁さんになりたかった。(村山)

アリゾナのナバホ居留地?

はい。あそこには今だにネイティブ・アメリカンの人達の居留地が残っていて。行くまであまり知らなかったんですけど、昔々ネイティブ・アメリカンの人達は、白人達がアメリカ大陸に来た時に強制移住をさせられて。それで一所に集めさせられて、「この柵の中から出なければ、ちゃんと生活を保証してやるよ」と言われたんですけど。それが現在まで残っていて。

なるほど。

私自身は、ネイティブ・アメリカンの人達に対するものすごい憧れがあったんですよ。小さい時も、“ネイティブ・アメリカンの人のお嫁さんになる事”って言ってたくらい(笑)。

ハハハ(笑)! そうですか。それは自分の原体験とかがあってですか?

西部劇が大好きだったんですね。

なるほどー。でも西部劇と言うと、いわゆる“白人が作ったもの”であって。そこでのネイティブ・アメリカンって、悪者として登場するじゃないですか。

そうそう。それが多いでしょう。騎兵隊が正義の味方でしょ。でもある時『ソルジャー・ブルー』という映画を見たら、歴史の裏側にある真実というか、そういうものが描かれていて。騎兵隊によるネイティブ・アメリカンの人達の大虐殺とか。それを見た時はまだ子供でしたから言葉にはならなかったんだけど、「歴史というのは、強い者が語り継いで来たものでしかないんだな」って。それがズバンッ! と頭の中に入ったんですね。

なるほど。

そして知れば知るだけ、惹かれていく自分がいて。

それで実際に行かれたのが、97年ですか?

その頃ですね。

『翼』という小説に全て成就されるわけですけど。それは元々取材を意識して行かれたのですか?

この時は誰の解説付きでもなく、本当に自分の目でものを見てきたいと思って。実際に行って、現実に触れた時に、「これは、私の中のネイティブ・アメリカンの人達に対する憧れだけで書いちゃダメなんだ」と。「そうではなく、現在の現実も全て織り込んで。それでいながら、やはり小説だから読んで面白いとか、読み終わった後にカタルシスがあって、切なくて泣けちゃうような。そういう風に物語を作っていくにはどうすればいいのかな」と散々悩んで。

でも実際に行かれて。ただ2〜3日では取材は終わりませんよね。どれ位の期間?

40日近く。

ナバホ居留地に行かれた時は、いわゆる“ナバホ族”というネイティブ・アメリカンがいて。彼らと一緒に生活もされたとか。これはテントとか張ってですか?

えぇ。ナバホの聖地というのが今だに残っていて。そこを馬に乗っかって旅をする事が出来るんですけど。夜は、コヨーテの声が聞こえる様な所でテントを張って。

すごいですね(笑)。

コヨーテの声って、オオカミの遠吠えの様な声かと思っていたら、違うんですね。「ア〜ハハハハハ」って笑うの。

へぇ。

本当に人が笑っているかの様で。

不気味な感じします?

不気味な感じですよー。最初はびっくりして「何だ今のは!?」って。


あんまりすごいものを見過ぎると、言葉って追いつかないじゃないですか。(村山)
あまりにも大きいもの・美しいものを見た時に「綺麗!」って言えないもんね。(葉加瀬)

グランドキャニオンというのがありますでしょ。多分みなさんもグランドキャニオンと言えば、写真とか映像で見た事があると思うんですけど。

そうですね。イメージはありますよね。

知らない人はいないくらいなんだけど。でも実際に行ってみたら。私、行く前は「グランドキャニオンなんて、もう手垢が付いた所だろう」って。「みんなウジャウジャいながら、『ワーッ』とか『キャー』とか言ってるんだろうな」って思っていたんですけど(笑)。

見光客がね(笑)。

でも実際に行ってみたら、人間なんてどれだけ群れてても蟻んこにしか感じられないくらいで。

ハハハ(笑)。有名な、セスナだったりヘリコプターで上空から見るという?

上空からもヘリコプターでずっと見たんですけど。その前に1番有名なマーサー・ポイントという、ビュー・ポイントへ行ったんです。そこへ車で行くと、最初みんな車を駐車場に止めるんですね。「ここのどこがグランドキャニオンだ?」って思うと、駐車場から茂みを掻き分けて、ほんの100メートルくらい行くと、目の前がね。…何て言うんだろう? ブラック・ホールの様になるんです!

ホォ。もう断崖絶壁なんだ。

断崖絶壁! スコッーンって抜けてて。多分みなさんが“果てしない空”とか“行けども行けども、見渡す限りの峡谷”という言葉で想像する風景の100倍くらい(笑)。

“果てしない”の100倍(笑)!

えぇ!

すごいですね。

霞んでて向こうが見えないですからね。…・泣きました。あんまりにもすごくて。

でもそういう旅をされて、まずそこでは自分の中にどんどんインプットですよね。

うんうん。

それを今度は日本に持って帰ってきて、そこから小説を作られるんですよね。そういった作業はどういう風なんですか? 行った時の感動。あるいは見たもの、匂いだとかを書きながら追体験していくんですか?

本当にそうです。自分の中でもう一回…何て言うのかな? もう1度、自分だけ見たことがある映画を巻き戻して、最初から見ているような(笑)。

きっと面白い作業でしょうね。

今度は、それをノベライゼイションしていくという風に。ですから“1人ノベライゼイション”って呼んでいるんですけど(笑)。

ハハハ(笑)。

だから、あんまりすごいものを見過ぎると、言葉って追いつかないじゃないですか。

…深いですね〜。

言葉というのは人が何かを理解する為に、自分の大きさに合わせて何かを捉える時に、言葉や名前を与えたりして、それを自分の中に取り込むわけですよね。言葉にする事で初めて理解するんだけど。自分のキャパシティーを全く越えてしまったものを見たり聞いたりすると、言葉にならないんですよね。

なるほどね。それは現場でもそうですもんね。あまりにも大きいもの・美しいものを見た時に、「綺麗!」って言えないもんね。

ねぇ。「アッ…!」みたいな(笑)。

本当に「ウォオオ!」って叫ぶとか、そういう事になっちゃいますもんね(笑)。でもそれじゃ文学にならないから。今度はそれを言葉に紡ぎ出す作業だ。それは机で原稿用紙に向かい合うわけでしょ?

そうですね。もう自分の無力さを感じながら。

何をおっしゃいますやら(笑)。

散々打ちのめされながら。それでも書くに値するものというのは、きっと言葉を失わせる程の何かでないと、書くに値しないんだろうなと開き直るしかなくて(笑)。

なるほどね。

それで1つ1つ、小さいものをつぶしつぶしというような。そうような作業で。空気の中から初めてトンボをポッと捕まえるみたいな、そういう風にして言葉を捉えて置き換えていく作業なんですね。

なるほどね。


実際に訪れて自分の判断をそこで下したいし。自分の頭で考えたい。 (村山)

本当にいろんな所を訪れられていると思うんですが、今後行ってみたいなと思われている所はありますか?

今、モロッコへ行きたいんですよ。

何を見たいですか? やはりマラケシの市場とかですか?

ああいう感じだとか、夜の砂漠に何とか行って月を見たいですね。

日本人がモロッコへ行くと、随分と待遇を良くしてくれるみたいですよ。水道とかの整備で、日本人が力を注いだという関係もあって、モロッコ人にとっての日本人は印象が良いんですって。僕も行った事が無いんですけど、とっても素敵な旅になる事が多いって聞きましたね。

良い事はしておくものですね。

本当にそうなんですよ。国と国の関係って、世界の地図を見ていると嘆かわしい事も多いけど、そういう事で繋がっていく事って末端に影響してくるからね。旅人にそういう情報がいく事ってやはり素敵な事じゃない。

うん。

モロッコは、僕も行ってみたいな。

エキゾチックな所に惹かれますよね。

絵に描いた様な所ですもんね。カサブランカとかいいじゃないですか。

ネ〜。浪漫、掻き立てられちゃいますもんね〜。絶対、何か小説になりそうですもん(笑)。

僕もトレンチコートの襟を立ててみたい! それはカッコつけ過ぎですか(笑)。

『カサブランカ』のハンフリー・ボガードみたいな感じで(笑)。

あとはどんな所が?

モンゴルや中央アジアにも。<○○スタン>と後ろに付く所、例えばカザフスタンとかにも行ってみたい。やはり文化が入り交じって、どこか異国情緒の香りがするような所に惹かれるらしくて。そういう所の方が、小説にする時に何か掻き立てられるものがあるんですね。

うん。

“混然一体となったこの混沌の中から、何が生まれて来るだろう?”って。実際に自分で眼にした時に、どんな言葉が飛び出して来るだろうというのがあるから、自分で見てみたくて。今までの旅みんなそうなんですけど、テレビで見ただけで行った気になっちゃう人もいるかもしれないんだけど。そういうテレビ番組には、大抵解説が付いているわけじゃないですか。でも他のカメラマンがとか、他の番組プロデューサーが切り捨てた所に自分は惹かれるかもしれない。

そうなんですよね。

そう思うと、へたな解説が付いているんじゃなくて、自分の判断をそこで下したいし。自分の頭で考えたいし。そうすると「やっぱり自分の脚で行くしかないよ!」という事になるんですよね。

何でもそうですけど。例えば展覧会とかにいって“順路はこっちです”と書かれていても、別れ道があって「どっちに行きたいか?」はその瞬間にしか分からないからね。

本当にそう!

旅に出てるとそういう瞬間ってたくさんあって。“こっちに行くと名所・旧跡があります”という矢印が右の方に出てても、左の方の裏道に何か惹かれる自分があったりしますからね(笑)。

そうですよね。そういう旅こそ面白くて。だから旅をしててアクシデントは出来るだけ避けたいけど、ハプニングは大歓迎! という感じ(笑)。

その一言ですよね(笑)。


旅とは“自分の中に今ある、古いもの・捨てたいもの・凝り固まっているものを洗濯すること”。(村山)

村山さんが現在構想されている、次の作品や物語はあるんですか?

そのモロッコを舞台にした恋愛小説を書きたくて。

すごい!

宗教間のぶつかり合いとか、文化圏が違う事によるお互いの価値見のぶつかり合いとか。結局世の中でのぶつかり合いのほとんどは、そういう価値観の違いからというか、価値観の違いを許容出来ない所から、認められない所から生まれて来る悲劇がたくさんあると思うんで。やはりそういう所をニュースで聞くと対岸の火事の様に思ってしまう事でも、小説の中で感情移入して読むと自分の事の様に考えてくれるという事があると思うんですよね。だからそういう事を小説の中に書きたいなと思うんです。

なるほど。その前にはぜひモロッコに行かなくてはならないですね(笑)。

そうなんです。ぜひぜひ行きたいんですけど(笑)。

村山さんにとっての“旅”というと、どんな事になりますか?

“細胞の全取っかえ”かな。

“全取っかえ”ですか。

自分の中に今ある古いもの・捨てたいもの。それから凝り固まっているものを、全部違う価値見の中に放り込んで。それで洗濯する事によって新しい事が見えるんですよね。不思議な事に、逆に「日本がいいな」と思える瞬間も帰って来るとあるんですよ。外から見て初めて分かる良さもあるから。そういう違うものに触れ合う瞬間を私に与えてくれる“旅”というのは、私にとって大事なリフレッシュなんです。

ありがとうございました。


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POWERLESS(SAY WHAT YOU WANT) / NELLY FURTADO
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村山由佳公式サイトYUKA BLUE
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