まもなく4月。就職や転職ではなく、新しい会社を興す、という方もいらっしゃると思います。平成18年に施行された新会社法で会社を設立するための要件が緩和されたことにより、起業のハードルもだいぶ下がました。今では、起業を支援する行政や団体も増えています。そんな「スタートアップ事情」、海外ではどうなのでしょう?今日も、2つの国に電話をつなぎ、お話を聞きましょう。

「会社を興す環境は整っているのでしょうか」

スウェーデン マルメ 丹呉由紀子さん

「整っています」

ドバイ 金子家暢さん

「整っている」

●スウェーデン マルメ 丹呉由紀子

若者起業教育には特に力を入れていて、高校生4人に1人は、NPOの支援により、授業で1年間の起業体験を実施しているというデータがあります。学生は、会社設立から終了までの起業活動を体験し、起業家精神を養います。また、ビジネスアイデアを発表できる地方大会や全国大会があり、表彰や賞金が出たりと、若者をやる気にさせます。社会人への起業家育成も盛んで、大学、市⻑や行政機関などが連帯して、会社設立のための場所を期間限定で無料で提供したり、同じようなビジネスアイデアを持つ若者が集まる場を設けてネットワークを広げることができたり、また、経験のあるアドバイザーがいて、無料で相談できたりします。

兼業可能なことも起業しやすい場を作っているかもしれません。スウェーデンでは、フルタイムでなく働くことは普通なので、余暇を使ってベンチャー業に徹する社会人も少なくありません。

私自身、専門学校でデザイン教師として週の半分働いており、後の半分はプロダクトデザイナーとしていくつかの企業と新商品開発をしたり、デザインコンペに出品したり、行政機関主催のビジネスネットワークを広げるミーティングに参加したりしています。

●ドバイ 金子家暢さん

Qドバイでは会社を興すのは簡単なのですね?

ビジネス面

  1. アラブの国であるが英語が広く使え、国際色豊か(ほとんどが第二外国語の人)
  2. 無税であること(所得税、法人税なし)
  3. 国が戦略的な位置にある(アジアとヨーロッパの真ん中に位置する)
  4. 革新的(国全体が活発で新しいものを積極的に取り入れようとする前向きな姿勢)

生活面

  1. 治安がとても良い(日常的に殺人事件等の凶悪事件はあまり聞かない)
  2. インフラが整っている(停電はなく、インターネットも整備されており、道路も綺麗)