みなさん、お財布の中にどのくらい現金をいれていますか?支払いの場で、キャッシュレス化が進んでいますね。自動販売機、コンビニ、飲食店などなど・・・ICカードでの支払いが増えていませんか?海外の都市ではどうなんでしょう?今朝は、スウェーデンと中国の通信員と電話をつなぎ、現地でキャッシュレス化がどれだけ進んでいるのかお話を伺います。

「支払いのキャッシュレス化は進んでいますか?」

スウェーデン マルメ 丹呉由紀子さん

「進んでいます」

中国 上海  松田奈月さん

「進んでいます」

スウェーデン マルメ 丹呉由紀子さん

支払いのキャッシュレス化が進んでいるとのことでしたね。

スウェーデンでどのくらい進んでいるか。実は、先ごろ、スウェーデン中央銀行からわたしの夫に電話アンケートがありました。「最近現金を使ったのはいつか、いつ現金は必要か」など聞かれたようです。夫自身も、最近、現金を使ったのは二、三ヶ月前とこたえたようで、無現金化はさらに進む傾向があると感じられ、中央銀行が無現金化を将来的に考えている様子が伺えます。街には、現金支払いのみの移民経営の理髪店などがいくつかありますが、小さなパン屋やカフェでもキャッシュレスが進んでおり、現金を好まない店も多くあります。Swish(スウィッシュ)というアプリがあり、お互いにこのアプリを携帯電話に持っていれば、携帯同士で支払いができます。フリーマーケットなど細かい現金が必要な状況、またはレストランでの割り勘などの状況で、手持ちに現金がない場合、とても便利です。

不都合だと感じる点はありませんか?

クレジットカードは、Visa または Masterカードが一般的。100%アメリカの企業に頼り、リーマンショックのような世界的金融危機があった場合、一体、どのような状況に陥るのか不安を感じます。市内近郊バスにおいては、パスモのような定期券またはプリペイドカードのような役割のものがありますが、携帯でピッとタッチパネルで支払う方法が普及してきていて、そのほうが割引があったりとお得です。2020年にはこのパスモ的カードを全面的に廃止することになり、携帯で支払う方法は、アプリを使って定期的に支払いをすることができるなど便利な点は多いけれど、お年寄りなどでスマートフォンを持っていなかったり、スマートフォンを持っていても充電が切れていたり、携帯が昔の型だとアプリをダウンロードできなかったり、そのような状況になると、バスに乗れないことになってしまいます。また、携帯の場合、完全個別化され、一枚のプリペイドカードを家族で共有することなどはできなくなってしまいます。

中国 上海 松田奈月さん。

中国も支払いをキャッシュレスで済ますことが多いのですね。

ちょうど今週は中国の旧正月。商いがさかんですが、中国で携帯電話の電子マネーユーザーは6億人に達したとのデータがありますが、上海で周りを見ている感じではほぼ100%の使用率という印象です。今の上海の生活では、QRコードを利用した電子マネーが手放せません

QRコードですか。

電子マネーで支払うと価格が割引になったり、ポイントが溜まったりで、すっかり手放せなくなっています。もともと、現金での支払いは偽札に要注意でしたし、流通している紙幣にはかなりボロボロのものもあり、若い女性は便利でオトクな上に、現金に触らなくていいので電子マネー大歓迎という声もあります。タクシーや自転車、レストラン、スーパー、コンビニ、そして屋台、さらには最近サービスが過剰に拡大している出前サービスはもちろん、飛行機や列車のチケット、コンサート・映画チケットの予約購入、ガス・水道・電気代、家賃、そして理財まで、電子マネーで支払えないものはない印象です。ちょうど中国では、今日が春節・お正月にあたりますが、お年玉も電子マネーでやりとりというのも増えています。

特定の電子マネーはあるのですか?

中国で今流通している電子マネーは、日本でも時々見かけるようになっている「アリペイ」と、中国版ラインともいえる「WE CHAT(ウィーチャット)」の二種類です。友人とのやりとりの便利さや、その時の割引などで、二種類両方を入れていて、使い分けている人が多いです。基本的には、銀行の口座に紐付いて、そこから直でリンクしてデビッドカードのように引き落として支払うか、一度アリペイかウィーチャットにプールして、そのプール金で支払うかのどちらかの方法です。お店に張り出されているQRコードをケイタイでスキャンして支払うという方法がメインでしたが、レンタル自転車などで、ニセのQRコードが貼られているという詐欺が横行したこともあってか、支払う人のほうが、支払いごとに割り当てられるQRコードを相手に提示し、店舗側がスキャンするという形も増えています。(ケイタイの支払いボタンを押すと、毎回違うQRコードが出るような仕組みです)こうした電子マネー詐欺を警戒して、お給料口座とは紐付けている口座を分けているという人もいますが、全般的にはみんなあまり心配していないようです。(国民性でしょうか。心配より、利便性が優先するようです。そして、みんなが使ってるのだから安心という意識もあるようです。)

不都合なことはないのですか?

日常では、とにかくケイタイの電源確保が一番の問題です。大学生と話していても、普段現金を一切持たないという人も少なくなく、ケイタイの電池が切れたら何もできなくなってしまうので、充電バッテリーは常に持ち歩いているようです。また上海のカフェやレストランではどこでも充電が席で自由にできる。また、全ての情報がケイタイに紐付いているので、もしなくしたり取られたりした時には、今まで以上に迅速に様々な手続きが必要になります。そして、これだけ電子マネーが中心になると、スマホを使わない人や、外国人旅行者には不便になってきているともいえると思います。中国での電子マネーは、基本的に中国の銀行の口座が必要で、そこに紐付けなくてはならないので、外国人旅行客が登録するのはハードルが高いですね。現金不可の店など、最初にわからないと支払いの時に苦労すると思います。