あと数日で2018年。大晦日には年越しそばをいただき、一年初めの日の出を拝む。年が明けたら神様に一年初めのご挨拶にいく。大晦日からお正月にかけての日本ならではの習慣です。ほかの国では大晦日、どんな年越し、新年の迎え方をするのが一般的なのでしょう?今朝も2つの国にコネクトします。

「年末から元旦にかけて年越し行事に相当するものあるのでしょうか」

フィンランドのラップランド・サーリセルカ、山本起美代さん

「フィンランドらしいものという意味では、ない」

インドネシア・ジャカルタ 神成美智子さん

「盛大に一年の幕開けを祝う」

⚫️ フィンランドのラップランド・サーリセルカ、山本起美代さん

Q ラップランド・サーリセルカは北極圏。ネットで調べますと、北緯60度。どのようなところなんでしょう?

サーリセルカは北緯68度に位置するオーロラで有名な人口300人ほどの村です。通常、9月末ごろから氷点下に気温が下がり、10月から5月は雪に覆われている白銀の世界です。気温は氷点下40度近くに少なくとも一、二回は下がります。平均で晴天であれば氷点下15度から20度くらい、曇っていると氷点下5度から10度くらい。夏は過ごしやすく平均15度から20度位です。12月6日から一月、1月6日までは太陽が地平線上から全く昇らない極夜の時期があり冬至のころが一番暗いです。太陽が昇らないという事で一日中真っ暗というわけではなく、地平線上から漏れてくる明かりで昼間うっすらと明るくなります。しかし、特に曇っているともう15時すぎには真っ暗になっています。私も今年の最後の太陽はすでに見納めしてますが、次回7日に太陽が再び、顔を地平線上から覗かせるときを楽しみにしています。

日が昇らないと、12月31日から1月1日にかけて一日が変わった気分にならないのではないですか?

日が昇らないですが、こちらではそれがこの時期は当たり前なのでここ地元の人々は太陽が昇ったり沈んだりすることで一日を数えていません。太陽の影響はどちらかというと冬は暗く、夏は明るいです。私のエピソードですが、私の6歳の息子に日本の絵本を読み聞かせていますが、日本の絵本は暗くなると夜で明るくなると朝と描写していることが多く、ここではその常識が通用せず、息子はよく今は朝なのか夜なのか冬と夏によく聞きます。それに関連してあと日本では暗くなるまでに子供に家に帰ってくるように言いますが、これも夏だと白夜が2か月続くので夜遅くても昼間のように明るいのでそう言ってしまうと子供はずっと帰って来ません。だからそんなことは言いません。

年の暮れからどのように過ごすのですか?

初日の出が元旦には見えないのですが、こちらは31日に花火をします。フィンランドは花火をする時は許可が必要で一年で31日の18時から翌日午前2時までのみが基本、許可なく花火をすることができるので花火をしたり、だいたい各町で0時に花火が打ちあがるのでそれを見て新年を迎える人が多いです。

⚫️インドネシア・ジャカルタ 神成美智子さん

Q 一年の幕開けを盛大い祝うということでしたが

A インドネシアの年越しは、盛大に花火や爆竹が鳴り響きジャカルタ中心地では歩行者天国になって、人がわんさか集まってにぎやかにお祝いします。家族で過ごす人、友人と過ごす人、どちらも自由です。みんなで集まってバーベキューをしたり家でくつろぎながら、テレビ中継を見たりします。夜中12時~1時くらいまで各地で花火があがって、うるさくて眠れないくらいです。

インドネシアはイスラム教徒のみなさんが多い国で、新年という概念はかならずしも1月1日に当たらない気もしますが。

インドネシアには、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教、仏教・・・・様々な宗教の人が住んでおりそれぞれのお正月は別にあります。年越しは全ての宗教がさほど重視していない。

12月31日に大騒ぎし、翌朝はおそく起きますので、「初日の出」を見る人はほとんどいません。おせち料理に相当するものはありません。ムスリムの人にとっては、一年で一番大事な行事はレバラン(断食明け大祭)で、この時には新しい洋服に身を包み、伝統料理を作って、家族で過ごします。