今週末は「衆議院総選挙の投票日」です。まさに日本列島へ台風接近、ということで、お天気と投票率が心配ですが、今日と明日で各候補の「最後のお願い」がヒートアップしそうですね。さて「選挙運動」ですが、世界のあの国ではどうなのでしょうか。

今朝も二つの国にコネクトします。

「選挙運動は日本のやり方と違うのでしょうか」という質問です

コートジボワールのアビジャン ンボテ★飯村さん

「日本と全く違います」

フランス・パリ  ドゥヴィアンヌ園子さん

「衆議院議員選挙はフランスでも今年6月にありましたが同じような感じでした。」

コートジボワール・アビジャン ンボテ★飯村さん

Q 飯村さんはアフリカ生活が長いという事ですが、やはり日本と違いますか?

A 現在住んでいるコートジボワールでは2010年の選挙で2人の大統領が当選を主張し、今は解決しましたが、「選挙後内戦」が勃発しました。アフリカの選挙は毎回大きな問題含んでいて、今でもケニア、コンゴで大統領選挙をめぐる問題が紛糾。選挙のたびに大きな衝突があったりします。そういえば任期切れとなったコンゴの大統領、ジョセフ・カビラといいまして、訳せばJ.カビラです。

それはさておき、そもそもみんなが選挙できる体制が確保されているか怪しいんです。というのも住民登録などの制度が不在、未完成で、まずは選挙のたびに​選挙人登録が必要です。そしてこれがちゃんとできていないので、投票当日に自分の名前が見つからないとか、全く別の遠くの選挙区に登録されている、なんてこともあります。また選挙管理委員会側の準備が間に合わなくて、投票できない場合も。また投票者の中には少なからず文字が読めない人がいます。投票用紙にそもそも選んだ人の名前を書けないということがおきます。テレビがない地域では、立候補者の顔も見たことがないから、投票の時に写真で選ぶということにしても意味がありません。こんな感じですから、投票から開票まで、インチキが噂され、国際選挙監視団が毎回派遣されます。そんな選挙のゴタゴタを描いたコメディ映画​「ゴンドワナにようこそ」、ニジェール人監督ママンの作品ですが、今年アフリカで公開され、大きな話題になっています。​

Q そんな背景での選挙運動はどうなのでしょうか。

A選挙運動では街宣カーは主流ではないですね。街の随所に大きな看板が立ち並びます。主要な選挙活動は候補者が支持者を集めたミーティングのような形が一般的です。歌手が呼ばれてミニコンサートがあったり、その合間に選挙への支持を呼びかけたりします。ことば巧みな​プロの司会が候補者を叙情的に紹介し、プロレスのリングコールのよう。ミーティングではご飯がふるまわれたりすることもあり、候補者のTシャツや帽子、子供が喜ぶ風船などが配られたりします。これが客寄せの目当て。デモに参加すると日当がもらえたり?! なんて話もあります。田舎では伝統的な祭り事の歌い手、グリオがキャンペーンを盛り上げます。時には生きたヒツジやヤギが配られる、などという選挙違反?!も耳にすることがあります。

フランス・パリ ドゥヴィアンヌ園子さん

Q 現在のフランスの状況はどうでしょうか?

A フランスでは男女が半々ずつ議席を取るようにということを法律で決めそれを実施したのが2015年の県議会選挙です。マクロン大統領も就任直後の組閣に女性大臣の登用にかなり努力をしたようですし、その後衆議院選挙もマクロン氏が創立したREM(共和国前進)は女性立候補者50%を達成し、いわゆる「政治プロ」「代議士プロ」を排除、経済界や企業、学者などから立候補者を募ったのはとても画期的でした。女性が強いと言われ、どの業界にもその進出めざましいフランスなのに政治だけは女性に人気がなく、またフランスの政治家はマッチョ(男性実験主義)が多いと皆認めているのです。ところが、現実は女性たちにはやっぱり政治の世界は、かなり横暴で男でないと生き延びられないと思われていて、有能な女性はそんな狼の群れの中に入って行くのはごめんだというのが本音のようです

Q そんな状況を受けての選挙活動ですが、どのようなものでしょうか

女性の立候補者には同じ政党の男性親衛隊がついて守っているという感じを受けますし市民には、女性候補者は総じて人気があるように見受けられます。