今日10月6日は「役所改革の日」。1969年のきょう、千葉県松戸市役所に「すぐやる課」ができたことにちなんで、制定されたそうですが、発案者は、当時の松本清市長。あの「ドラッグストア・チェーン」の創業者としても有名ですね。さて、そんな「役所の手続き事情」、世界のあの国ではどうなのでしょうか。今朝も二つの国にコネクトします。

「いわゆるお役所仕事で困ったことはありますか」という質問です

ドイツ・ミュンヘン シッター由香さん

「たくさんあります」

中国・上海 松田奈月さん

「もうそれは不便です」

⚫️ドイツ・ミュンヘン シッター由香さん

Q シッターさんが、お役所仕事で困ったことは何でしょう?

私の場合、20年前になりますが、ドイツ人と結婚した際に、以前のパートナーとの間との子供の養子縁組手続きが難航して大変でした。担当者は基本ドイツ語しか話さないので、当時言葉ができなかった私はよく追い返されで泣きました。担当者の気分や時間(お昼時間前や終業時間ギリギリ)によって受理されるもの、されないものが左右されるというのもよく聞く話しです。外国人の受け入れがまだ厳しかった当時は、3歳の子供のビザもなかなかおりず、家庭裁判所、市役所、外人局を2年も行ったりきたり、面倒な手続きで何度も気絶しそうになりました。また永住ビザの申請と取得も大変でした。ここ数年は電話もしくはEmailで用件を伝えて、指定された日時に行くという、合理的なシステムに改善されましたが、私の場合では8ヶ月もかかりました。

Q 日本にはないユニークなサービス、というはあるのでしょうか

日本のように出生届や婚姻、離婚、住所変更などの申請は市役所ですが、面白いのは「婚姻手続き」です。日本では書類を提出するだけですが、予約をとって市役所の戸籍役場というところに二人で出頭して、役所の職員の本当に結婚したいかとの問いかけに二人でイエスと答え、指輪交換をして誓いのサインをするという簡単なセレモニーをします。もちろん親族や友人も招待してもいいし、バックに好きな音楽を流したりライブでオルガンを弾いてもらったりするオプションもあります。

⚫️中国・上海 松田奈月さん

Q 日本に比べてどんなところが不便なのでしょうか?

中国の市役所は職員が働く場所で、市民に開かれた場所ではありません。日本の市役所窓口で対応しているような業務は、それぞれの担当機関がわかれているので、目的に合わせた場所にいかなくてはなりません。たとえば、住民課で戸籍証明を取る場合は、「派出所」へ。(日本の警察署くらいのサイズ感です。)婚姻届けを出す、結婚証明をもらうのは、民生局。納税証明などは税務局、ごみなど環境整備などの相談は環保局、教育関連は教育局のそれぞれの事務所へ行く必要があります。内容ごとに事務所のある場所を確認しなければなりません。中国で外国人が就業ビザを申請するには、私の場合ですと、まず住んでいるマンションの管理事務所で、在住証明をもらい、それをもって派出所で居留証明証を発行してもらいます。その居留証明証と必要な書類を合わせて就業促進センターへ。1週間ほどかして、就業許可証が発行されます。次にその就業許可証とそのほかの会社の資料、パスポートを合わせて出入国管理局へ。また1週間ほどして取りに行くと、やっとパスポートの上に就業ビザが貼られて戻ってくるというような仕組みです。ひとつの手続きをするのに、いくつもの場所に行き時間がかかる煩雑さがあります。

Q 現地で待たされたりするのでしょうか。

昔は何時間も並んでいたのですが、そこは変わってきました。最近ではデジタル化が進んできていて、様々な許可証の申請は、事前にそれぞれの機関のサイトでウェブ予約しておけば、当日はほどんと並ぶことなく、さらに当日に処理されるスピード化も図られるようになってきています。ただ、その予約サイト自体に不具合が出ていたり、一度予約した日は変更ができなかったりと、また違った不便さがあったりもしますが、全体的にデジタルにより並ぶストレスは減ってきそうです。