歩きながらスマホ画面を見る、といういわゆる「歩きスマホ」。思わぬ事故やけがの原因になるので、やめましょう、ということは叫ばれて久しいのですが、それでもやっている人、見かけますよね。さて、世界のあの国での「歩きスマホ事情」は、どうなのでしょうか。

「歩きスマホ、ってあるのですか」という質問です

ハワイ・ホノルル アン鈴川さん

「あります。テキスト ウォーキングと言います。

ドイツ・ミュンヘン シッター由香さん

「あります。スモンビーズと言います。」

ハワイ・ホノルル アン鈴川さん

Q 歩きスマホへの事故への対策などがあるのでしょうか?

A:ホノルルはアメリカの大都市で初めて歩きスマホだけではなく、ゲーム機、ページャー、(KindleやiPad)タブレット、ラップトップなどの電子機器の画面を見ながら、または打ちながら道路を横断することを10月25日から禁止することになりました。歩道での電子機器の操作や通話しながらの横断は違法ではなく、取締りの対象になりませんが、横断中の歩きスマホで捕まると、初犯で$15〜$35、同年度内の2度目で$35〜$75、12ヶ月以内の3度目以上は、その都度最高$99という罰金になります。

Q 道路の横断ということで気をつけなくてはなりませんね?

A: 観光客の方はあまりご存知ないかもしれませんが、実はJaywalking、横断歩道や交差点など以外で道を横断するのも違法で、$130の罰金を取られます。また、歩行者による信号無視(Don't Walkの赤信号を渡ってしまう)のも$130の罰金なんです。過去に、Jaywalkや禁煙法の違反で実際に罰金を科せられた知り合いがハワイに何人もいますので、日本からの旅行者も気をつけた方がいいと思います!

ドイツ・ミュンヘン シッター由香さん

Q どのような対策が講じられているのでしょうか

A:ドイツでは2015年にミュンヘンで15歳の少女がヘッドホンをしながら歩きスマホ中に路面電車と接触して死亡するという事故が発生し、急増する人身事故対策としてアウグスブルグとケルンの2都市で路面電車の駅の地面にLEDの信号機を埋め込むという対策を打ち出しました。路面電車は普通の道路を走っていて柵もなく、ただでさえ非常に危険です。そこで下を向いて歩いていても信号が視界に入るようにという配慮からの対策です。歩きスマホはやめましょうといった趣旨のポスターやメッセージは街角で見かけることは殆どありません。どうしても増える歩きスマホに対し、「やめましょう」と呼びかけるのではなく、"歩きスマホをしても大丈夫なように"嫌でも目に入るところに信号を作るといったところでしょうか。行政が国民を守る、より安全な環境を作るというスタンスだと思います。設置した場所での事故は急減したそうですが、高額なためなかなかドイツ全土での実施は難しいようです。

Q たしかに行政の努力では限界がありますよね

A:O2という大手通信キャリア会社はWatch Outというアプリを開発しました。通学路などにある交差点の信号機などにBeacon端末が設置されており、そこに車が接近するとBeacon端末が察知して、スマホの画面が「Watch Out!」という画面に切り替わり、歩行者に注意を促すという仕組みです。そこまで浸透してはいませんが、子供が赤信号に気づかず車にひかれてしまうかもしれないという心配を抱える親が子供の携帯電話にアプリをインストールしているようです。