さて、高校野球も終わって 夏休みもそろそろラストスパートでしょうか。もう学校始まっているよ、という学生さんもいるかもしれませんね。部活動がんばっていますか?夏休みは大会などもありましたでしょうか?きょうは海外での「部活動事情について」、2つの国に電話をつないでお送りします。

⚫️まずはストレートに「部活ってあるんですか?」という質問です。

アメリカ ニューヨークの中村英雄さん

「NYの公立校(娘の通っていた学校)ではあります」

ドイツ・ミュンヘンのシッター由香

「あるんですが、日本ほど盛んではありません」

⚫️ アメリカ ニューヨークの中村英雄さん

Q どんな部活があるんでしょうか。日本とは同じなんですか

A 部活には大きく分けて、対抗試合やコンテストなどに参加する学校代表チーム。Varsityと自発的な同好会と2種類あって、うちの娘はVarsityでラクロスをやるかたわら、同好会はボーリングをやっていました。ちなみに体育会系の種類では、野球、ソフトボール、バレーボール、サッカー、水泳、陸上、ゴルフ、スケート、ホッケーなどほとんどすべてのスポーツを網羅。文化系では、演劇(HCHSの先輩には、今をときめくブロードウェーミュージカル「ハミルトン」のマニュエル・リン・ミランダがいます!毎年恒例の演劇発表会は玄人はだしの素晴らしいパフォーマンス)を筆頭に、バレエ、ダンス、オーケストラ、マーチングバンド、ジャズ、ロックなど全ジャンルあります。指導は、先生の場合もありますが、大抵は外部から「コーチ」が入ります。娘の場合、高校時代のラクロスではコーチとの反りが合わず、苦悩していました。

Q ある種日本と同じような「部活の悩み」みたいなのがあるんですね!

A 「嫌ならやめればいいのに!」と言っても3年やり遂げたのには理由があります。と言うのは、アメリカの場合、特に高校時は部活をやった経歴が大学受験の内申書に反映されるからです。全くスポーツや音楽をやっていない生徒は、入試で不利になります。内申を上げるためにも部活は不可欠なのです。部活をやっていない子はほぼゼロでしょう。朝練とか、対抗試合とか結構時間を取られるので部活は、子供達の生活の重要な部分です。娘が通っていたHunter College High SchoolHCHSは全米でも有数の公立進学校でしたが、みなさん勉強と並行して部活も盛んに励んでいました。とはいえ、日本みたいに家族みんなで繰り出して娘の試合に応援に行くようなことは、ほとんどなく(チームもそれほど強くない(涙))その辺は地方の高校とだいぶ違いますね。地方の「強豪校」はレベルが全く違います。

Q 学校の規模などにもよると思いますが、全員がそんなに大変な部活に入っているのでしょうか

AVarsityは授業の一環のような活動ですが、そのほかに「クラブ」と言われるもっとゆるい放課後活動もあって、その数は120超。テーマは細分化されていて、アニメ研究会、世界の料理研究会、コンピュータクラブ、ラテン語大好き会、人権主義研究会、日本オタクの会、人種差別反対の会、小説クラブ、漫画クラブなど実に様々。こちらは最小2人から自由に組織できます。平均すると5〜6人の集まり。気の合う友達集団といった趣です。

2 ドイツ・ミュンヘン シッター由香さん

Q まず学校の体育の授業とか課外の部活はどうなっているのでしょうか

A 体育の時間は近所のスポーツクラブの敷地やプールを借りたりするので運動場が整備されている学校はあまりなく、そういった理由からもスポーツ系の部活動は皆無に等しいです。また演劇やコーラス、吹奏楽、科学実験などの文科系の自由参加型のクラブがいくつかあるのみです。それも運が良ければの話で、たまたま熱心な音楽の先生、理科や物理の先生がいない限り学校での部活動はありません。

Q 学校には部活がないということであれば、スポーツをやりたい人はどういう風にするのですか

A 学校の終わる時間が早いので午後に近所のスポーツクラブや音楽教室に通うなど、習い事としてスポーツや音楽をたしなむというのが一般的です。もちろん何もしていない子供達もたくさんいます。そのおかげで日本のような先輩後輩のわずらわしい人間関係もない、いじめもない、時間のストレスもないですが、集団行動に慣れない、協調性に欠けるといったデメリットもあるようです。