明日、8月5日は「世界ビール・デー」。夏本番、ビールがおいしいシーズンがやってきました。日本人はビール好き、のように思えますが、世界ではもっとビールを飲む、という国があるようです。あの国での「ビール事情」はどうなのでしょうか。

今朝も二つの国と地域にコネクトします。

「ビールはお酒の中でどれくらいポピュラーですか」という質問です。

チェコ・プラハ横山佳美さん

「居酒屋では水よりも安く、仕事の中休み、お昼ご飯にビールを飲むことも」

中国・上海 松田奈月さん

「安くて味がうすいビールをたくさん飲むというのが変わりつつあります」

チェコ プラハ 横山佳美さん

Q チェコはビールの一人当たり消費量が世界一とか?

A: チェコにはビールの事を、液体のパンと言う呼び方をするときがあります。パンのように滋養があり、ビールだけでご飯のように栄養を取れると言う意味です。その言葉からわかるように、ビールはチェコ人には日常にかかせない飲料です。チェコのピルスナーという種類のビールは、のどごしが良く後味がすっきりしているため、ビールを普段飲み慣れている方には何倍でも美味しく味わってもらえるビールだと思います。ただ日本人、特に日本人女性からは、ちょっと苦すぎて・・・という声を聞くときがありますが、「とりあえずビール。」はまさに一緒です。そしてチェコでは結局ビールだけでとどまる人が多いかと思います。チェコのいわゆる正統派なビール親父は正直、おつまみなしでひたすらビールというスタイルを好みます。もちろんビールのお供にというメニューももちろんあり、酢漬けのソーセージやカマンベールチーズのオリーブオイル漬けなどがあります。

Q 飲み方のバリエーションなどはありますか?

A: チェコはビールの種類が豊富です。日本と違うところではアルコール度数ではなく、麦汁濃度の表示が一般的で麦汁濃度の違うもの、違う醸造所のビールなど、ビールだけでも飲む種類を変えて楽しむ人も多いです。こちらも例にももれず、今クラフトビールがブームになっていて、小さなビール醸造所が沢山生まれています。チェコは大麦小麦とも高品質のものが生産されるのに加え、美味しい水源が豊富なこともビールが美味しい理由の1つと言われます。こちらは冬がとても長いため、チェコ人は、短い夏をめいっぱい楽しむことにかなり気合いがはいります。夏場限定ですと、ビアホールよりビアガーデンが断然多く、夏の間だけオープンするビアガーデンがプラハのあちこちにあります。

中国・上海 松田奈月さん

Q 人口が多いこともありますが国全体の消費量は世界一ですよね

A :中国メーカーでは青島以外に、ハルピンビールなどがありますが、一般的に飲む瓶・缶ビールは、日本よりも全体に味も色も「薄め」が好みのようです。上海では日本のメーカーのビールも展開していて、コンビニでも手軽に購入できますが、中国市場に合わせて軽め(薄め)に調整しているものもあるようで、日本に帰って飲むと濃く感じて驚きます。中国では昔は冷えたビールは体に悪いということで10年前くらいまではレストランでビールを頼んでも常温で出てくることがしばしばで、地方都市ではまだ常温のビールが出てくることもよくあります。でも最近では上海でもきーんと冷えたビールが普通に楽しめるようになってきました。いわゆる日本的ビアガーデンは一般的ではありませんが、夏はクーラーがきいている中の席より、中庭やテラスに屋外席の方が人気で、冷えたビールを楽しんでいるという光景もよく目にします。

Q ということは近年が変化が出てきたということでしょうか。

A :中国でのビール販売量は、2014年7月から減り続けているそうです。以前は、ビールはとにかく安くたくさん飲みたいと、120円以下の安い大量生産のビールが、味も薄く、アルコール度も低いのでどんどん量が飲めまることで売れ筋でしたが、より値段の安さや量よりも、質を求める若者が増えてきたことで、中・高級クラスのビールの売れ行きがのびているようです。昨年は中高級クラスのビールの売れ行きが前年比約20%増加と順調に増えています。海外からの輸入ビールや、上海でもここ数年人気の出ているクラフトビールです。

クラフトビールのお店が出す料理は、中華ではなく西洋料理系が多く、上海で人気のクラフトビール店をバドワイザーが買収したとして、ニュースになったりもしています。おしゃれで新しい上海の都会生活のイメージに、クラフトビールがマッチしているようです。