7月1日は「童謡の日」なのだそうです。99年前のこの日に、「童話と童謡を創造する」という雑誌「赤い鳥」が発刊されたことがそのきっかけということです。日本では「文部省唱歌」として戦前に音楽の教科書に載っていたものもあり学校の授業で習う、といった世代もあるかと思いますが、あの国での「童謡事情」はどうなのでしょうか。今朝も二つの国にコネクトします。

「学校で童謡は教えるのですか」という質問です

アメリカ ニューヨーク 中村英雄さん

「学校では習わないですし、曲もバラバラです」

フランス パリ ドゥヴィアンヌ園子さん

「学校では習いませんが、その前に習うようです」

⚫️アメリカ ニューヨーク 中村英雄さん

Q ニューヨークではさまざまなバックグラウンドがあるせいですか?

A とくにニューヨークでは、民族、人種ごとにいろいろな童謡があるような気がします。そして子供の歌と一口に言っても、他にもセサミストリートやバーニー、ドーラなどテレビの子供番組の歌もありますし、なんか一つだけ「これ」という全員が知っているような曲があまりないような気がします。もちろん、スティーブン・フォスターはアメリカ音楽の父と呼ばれる偉人で、「オースザンナ」(これもカーリー・サイモンがカバーしていた)などはクラシック中のクラシックですが、今の子供達が率先して歌っている感じは、あまりないですね。

Q 子供の歌として知られているものはどんなものでしょうか?

A

  1. ハッピーバースデー(1893年作曲。元は、「グッドモーニンング」という挨拶の歌だったそう)
  2. リング・アラウンド・ザ・ロージーズ(みんなで手を繋いで輪になって回り、最後に仰向けにひっくり返る、というアクションが定番です)
  3. ヘッド・ショルダーズ、ニーズ、&トーズ。(歌に合わせて両手で文字通り「頭、肩、膝、つま先」を触るという動作がついています)
  4. ロンドン橋落ちた(有名なマザーグースの童謡)
  5. イッチー・ビッチー・スパイダー(左右の親指と人差し指を互い違いに合わせる指遊びの歌)

⚫️フランス パリ ドゥヴィアンヌ園子さん

Q やはり学校で習う童謡はありませんか

A フランスでは3歳から義務教育の幼稚園に皆通うわけですが、6歳で小学校に上がる前に、いわゆる伝統的童謡は幼稚園とお母さんから習うようです。お風呂に入るときには『まだ航海したことのない船とその船員の歌』プティナヴィールとか、雨の降る日には、『雨降りの羊飼い』とか。日本でも有名な『フレールジャック』 は簡単なメロディーの繰り返しで輪唱できる歌でも有名ですが、教会のお坊さんジャックさん寝過ごさないで朝の鐘をディンダンドンと鳴らしてくださいな、というような意味です。

Q やはり就学前の歌が中心ということなんですね

A ジェスチャー伴う童謡は幼稚園生にぴったりなのでしょう。例えば『3人の操り人形』とか「居眠り粉挽きの風車、は両手をぐるぐる回しながら操り人形や風車の動作を真似しながら歌います。また『キャベツの植え方。知っている?』という歌は、キャベツを植えるときは『足を使って植えましょう。。。』、「肘を使って植えましょう」「鼻を使って植えましょう」「膝を使って。。。」という風に歌いながら体のそれぞれの部分の名前を覚えさせるというわけです。日本の『結んで開いて』もジェスチャー付きで同じようなものだと思います。