今回注目するのは、渋谷の文化村通りを車両通行止めにして、青空のもと、さまざまなエンターテイメントを発信するイベント

【SHIBUYAルネッサンス】。

実行委員会事務局長、川上真由美さんにお話をうかがいました。

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【SHIBUYAルネッサンス】という名称を提案させていただいたのは、いま渋谷が100年に一度のハードの大規模開発で大きく動くなか、文化芸術も大きく花開いていくだろうと思ったからです。西洋にあったルネッサンス時代がそうであったように、渋谷もそれに匹敵するようなエネルギーを持って文化芸術面で開花していく、そのきっかけになるようにと想いを込めました。」

現代の文化と、そのルーツにある伝統文化。このテーマのもと、コンテンツが考えられてきました。【SHIBUYAルネッサンス】、例えば、最初の年、2014年は、歌舞伎俳優のお練り。さらに、、、

「初めてBunkamuraが地域イベントに参加させていただくにあたって、最初になにかBunkamuraらしいものを出していけたらなと思いました。当館はオーチャードホールがありますので、やはりその看板はオーケストラかなということで、オーケストラのみなさんに外に出て演奏してもらえないかと話をさせていただいたところ、東京フィルハーモニーさんがご賛同くださいまして、総勢60名近く、ヤマダ電機さんの前でそうそうたるオーケストラの名曲を演奏してくださいました。ルネッサンスですから、エネルギーを持って、誰もやったことがないものをしていきたいと思い、オーケストラからスタートしました。『まさか!』というものを実現していくのが渋谷らしい想像力というか、新しさを表現できるのかなと思ったんです。」

誰もやったことがないものを実現したい。その想いは、年を重ねるごとに加速していきます。

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「第2回目のときも『大田楽』という1500年くらい前の古典芸能や、井上鑑さん・三沢またろうさん・山木秀夫さんのトリオによる音楽。さらに、最後は誰もが人が集まる渋谷というのを願っているので、ゴスペル200人に参加していただいて『Oh Happy Day』を歌って未来につなぐ、ということをやりました。その日はみんなに、『渋谷って素敵だな』とか『Happy Dayだったね』と言ってもらえてすごく嬉しかったです。」

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2016年、第3回の開催では、渋谷の街に『雅楽』が響き渡りました。さらに、去年、第4回は島根県の伝統芸能『石見神楽』を招へい。竹や和紙でへびの姿をかたちづくる『大蛇』が渋谷に登場。6頭もの『大蛇』が、文化村通りに放たれました。

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「第4回は、初めて郷土芸能をやってみようと思いまして、石見神楽さんの中で代表格である大蛇をやってみました。大蛇が6頭も渋谷に来てくれちゃいまして、それはそれは華やかでしたね。ストーリーは八岐大蛇と須佐之男命の対決なんですが、大蛇が6頭も来てますから、須佐之男命大ピンチみたいな感じで。(笑)それを一般の方がSNSで発信されていて、『頑張れ、須佐之男命!』みたいなエールが送られていました。

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それからもうひとつ、和のオーケストラもやってみたいと思い、長唄を11人編成でやりました。国立劇場や歌舞伎座ではおなじみの方々がご賛同くださって『勧進帳』をやったんですが、すごくかっこよかったです。さらに、日本舞踊を見せてあげたいなと思い、紅白の連獅子が登場しました。生演奏で、歌舞伎舞踊の代表格の連獅子が渋谷のステージにあがってくる。ちょうど横にエリック・クラプトンさんの看板があるんですけど、その下に獅子が立つという形になって、『これこそサブカルチャーだよね』と、みなさん言ってくださいました。」

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あさって日曜日に開催される 第5回の【SHIBUYAルネッサンス】。内容を実行委員会事務局長、川上真由美さんに教えていただきました。

「5回目ということで節目の開催になるので、これまで好評だった和のコンテンツをやります。演目としては『SHIBUYA大田楽』と去年開催した石見神楽から『大蛇』、長唄は『あたま山』という曲目で落語の演目を歌いまして、歌を聞いてて思わず笑っちゃうような、非常にユニークな内容になっています。使う楽器も通常の長唄とはちがい、木魚なんかも出てくるかもしれません。それから日本舞踊では、歌舞伎舞踊の代表格のひとつ『鏡獅子』をやりまして、白い獅子がたてがみを振り舞う豪快な姿は醍醐味を感じていただけます。最後に和太鼓はGOCOOというグループに出演していただきますので、和をエンターテイメントでお楽しみいただけたらなと思います。」

最後にうかがいました。【SHIBUYAルネッサンス】、これまでの開催での手応え、そして、これから届けていきたいのはどんなことなのでしょうか?

渋谷は『エンターテイメントシティ渋谷』というニックネームがあります。エンターテイメントって一言で言うと、いま旬のものと捉えがちなんですけど、古典からさらに発達してサブカルチャーまでをエンターテイメントというんじゃないかと考えているんです。こうして街から発信することで古典もエンターテイメントとして楽しく受け取ってもらえているのがすごく嬉しくて、もっと堅苦しくなく、いろんなものにみなさんが関心を高めていただけたらと思います。」

さまざまな文化に、日本の伝統芸能の魅力に、もっと気軽に触れてほしい。そのために、渋谷の街で誰もが楽しめる形で最高のエンターテイメントを発信する。100年に一度と言われる大規模開発が進む街"渋谷"で、驚き・感動・発見を。【SHIBUYAルネッサンス】は、あさって日曜日に開催されます。