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ユニコーンがメンバー全員で解説!J-WAVE 30TH Anniversary Song第一弾『OH! MY RADIO』誕生秘話

J-WAVE 30TH Anniversary Song 第一弾、

ユニコーンの『OH! MY RADIO』。今回はその制作秘話を、ユニコーンがメンバー全員で語ってくれます。さっそく、メロトロンという楽器を使ったこの印象的なイントロについて 作曲を手がけたABEDONが教えてくれました。

「川西:イントロとか歌い出しがとても大事かなと思って作りました、トラックダウンしているときも、イントロさえよければいいや、と。バッと曲がかかったときに、いい感触がでれば...と。つかみね。

ABEDON:つかみ。ラジオで流れることが前提なので、そこで耳がいくかいかないか、みたいなことなのかなと思いながらやりました。メロトロンの音がすごく好きでよく使います。オーケストレーションみたいなのがあると華やかですよね。でもバンドの中でオーケストラを入れるわけではないので、メロトロンで弦とブラスの音があると華々しいというのがあって。あと、起こしてくれるといいなと思って、「時間が来ましたよ」みたいな効果音を入れて、それで始まる。最初、それをインテンポで作っていたんですけど、それだと面白くないので、ちょっとずらして、緊張感というかスリリングな感じにして、バンドが入ったときにテンポが始まると。」

メロトロン・鳩時計・そして、ギターのキュイ~~ンというスクラッチが入ってきますが、この音はギタリストの手島いさむさんではなくドラマーの川西幸一さんが鳴らしています。

川西:渾身のスクラッチですね。

ABEDON:川西君が自分で志願したんだよね?

EBI:気持ち、入ってるよね。

川西:曲、デモを聴いた瞬間から来てたからね。(笑)

手島:キュイーンとかね、弾き手なんですよ。弾き手によって違う音がでる。結局、ならではのがでる。

ABEDON:彼はギタリストじゃないので、何回かチャレンジして、もうダメかなと思ったときに最高のテイクが来て。(笑)」

ユニコーン『OH! MY RADIO』。 作詞は、奥田民生さんです。

「奥田:ラジオの聞き方というか、自分にとってこういうものだな、ということもありますし、FMだからステレオなんでね、スピーカーが2つあるなっていうところで歌詞づくりが始まっている感じです。なんていうんですかね、真剣にしてなくても、というと失礼ですけど、ラジオはどういう状態でも耳に入ってくるし、集中して見なくていいもので、そこがいいところだと思うんですよ。車にしたって運転しながら聞けるわけですし。そういう感じが出ればなと思いました。曲とかも、リクエストした人は別だけど、自分が聞きたい曲が流れてくるわけじゃないんで、そこもいいところというか。教えてくれる感じもありますしね。」

ラジオは、多様な人をその中に包みこめる存在であること。民生さんの歌詞からはそうしたメッセージも聞こえてきます。さらに、アレンジについてのHidden StoryをABEDONが明かしてくれました。

ABEDON:とりあえずラウドなのがいいなと思いました。ラウドなバンド。最後のTDのときも、とにかくラウドにしてくれ、というイメージで。音をでかくじゃなくて、大きな音が大好きなバンドがやっているイメージがいいなと。ギターをかきならし、ベースもひずませてくれ、って。

EBI:セッティングも普段はやらない感じでね。

ABEDON:それを両側からギターがドドドドドって揺らしているイメージだといいかなと思いました。」

そして、今回は、ユニコーン史上初めて民生さんとABEDONのツインボーカルの曲となりました。

奥田:普段あまりやらないですよね、ハモるとこだけどっちかが参加するとかそういうのが多いんですけど。なんとなく歌詞もそうだっていうのもあって、最初から最後まで2つの声があるのがいいなと思いました。普通だったら多分、僕が歌って場所場所でABEDONがハモって終わりなのを、そうじゃないところはユニゾンでやってみたら、妙な若々しさが出て、恥ずかしいね。(笑)若々しいんだよ。

ABEDON:新しいバンドみたいだね。ユニコーンて歴史が長いので、ユニコーンっていうとリスナーは、それぞれイメージができているはずなんですよ。ユニコーンが新曲を出したときのあの感じ、その感じが好きな人が聞くんじゃなくて、違う人に引っかからないかなと思っていたんで、ユニコーンじゃないユニコーンみたいな。そういう意味ではボーカルのカラーが違うと違うバンドみたいになってると思うんです。あのバンド、ああいう感じかって、聞かない感じがあるじゃないですか、そうじゃなくて、こっちは作品があって、それにすべてを託しているわけで。」

最後にうかがいました。ラジオの魅力、どんなところに感じていますか?

「奥田:勝手に頭に入ってくるというか、その図々しさがいいなと思っていて。知らないことが知れたり、うわ、この曲かっこいい、とかそういうのも昔からありますし。それでその気になったら音もすごくいい音で聞きたいなと思うものじゃない、FMって。それは音だけだから。画面があったらそう思わないかもしれないんだけど、実は車の中ってオーディオ環境がいいと思っていて、俺は車のなかで聞くのが好きなんですけど。

川西:テレビは映像があるから説明しなくていい部分があるじゃないですか。でもラジオって、例えば今日はどんな服を着ているか、『つなぎを着て青い服ですね』って説明しないといけない。でもそれを受けても、聞いている人はそれぞれ『つなぎとブルー』を考えるので、イメージするものが違うと思うんですよね。お互い"伝えたい"というのと、"こうなんだろう"というのがずれているかもしれないけど、気持ちがシンクロしているというか、それが素敵だと思うんですよ。歌詞もそうだもんね?この『OH! MY RADIO』の歌詞にしてもね?

ABEDON:僕らは音楽家なんで、絵なんかなくても絵を浮かばせるにはどうするんだとか、考えるんでね。やっぱり、相手の想像力を引き出すという面では、音だけ、声だけ、というのは魅力的だなと思いますね。」

キーワードは、【想像すること】。

そして、ラジオには偶然の出会いがある。

音楽も、誰かの話も、笑いも、発見も。

そんなラジオへの想いが詰まっているのが

J-WAVE 30TH Anniversary Song、ユニコーン『OH! MY RADIO』。