パイの専門店『Pie Holic』を手がけるのはウェディングのプロデュース事業などを展開する株式会社 テイクアンドギヴ・ニーズ。そもそもの始まりを、テイクアンドギヴ・ニーズ事業開発本部 レストラン事業部の小川寛樹さんに教えていただきました。

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「レストラン事業部が立ち上がったのが2年くらい前で、結婚式とはまた別に、日常のなかの記念日だったりサプライズとか、特別な日を過ごすという意味を込めて始まりました。1年半前に横浜に1号店をオープンしたんですが、きっかけは、西海岸をコンセプトにしたお店を開けたいなと思っていて、インターネットで検索をしたらロサンゼルスとかサンフランシスコあたりはパイの天国と言われているエリアらしいと。これはパイをやってみたら面白いなということで、開業準備のスタッフが実際にロスに行って40店舗くらいパイを出しているお店をぐるぐる回りました。男スタッフばかりで、みんな私くらいの年齢ですから、おじさんたち6人のパイ旅でした。(笑)」

アメリカ西海岸のパイ文化に触れたい。開業準備のスタッフ6人が、現地でパイのお店を巡りました。

「事前に行きたいお店はチェックしておいて、きょうはこっちのエリアに行こう、明日はこっちに行こうと計画通りに回ってきました。

パイは本当に日常に根付いていて、日本で言うところのおにぎりのような印象を受けました。例えば、タクシーの運転手さんがすっとパイのテイクアウトのお店の前に車を止めて、パイとコーラを買って運転席で食べながら休憩をしている姿とか、若い男性が3~4人で瓶ビール片手にパイをみんなでつまみあったり。あと、60代70代くらいのご夫婦が夜の8時半とか9時とかに、20センチくらいの大きいチェリーパイをコーヒー飲みながら食べていたり、パイが日常に根付いているなというのを感じました。」

なかでも特に、一軒のお店の あるパイが、チームの心に残りました。

「参考になったのは、サンディエゴのジュリアン村にあるジュリアンパイカンパニーというところのパイでした。ジュリアン村はリンゴの産地で、私たちはちょうど秋にロサンゼルスとサンディエゴに行ったものですから、リンゴが収穫の時期ですごくおいしいアップルパイを食べることができて。このアップルパイを日本に持っていきたいと思って、特にレシピを開示してもらうのではなくて、舌で盗むという形で日本に持って帰りました。こちらのお店はアップルパイがメインになっていて、さまざまなバリエーションのダッチアップルパイやアップルクランブルとか、アップルにまつわるパイを並べているところで、あとあと調べると、アメリカで『一番おいしいアップルパイ』という書き込みがありました。本当においしかったです。あれは忘れられないですね。空気感とか気候、雰囲気。アメリカのアップルパイは大味だったり甘すぎたりしたんですけど、ジュリアンのアップルパイは私たちの口にあったアップルパイで、繊細な味でした。」

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2016年3月、『Pie Holic』の1号店が、横浜・みなとみらいのMARINE & WALK YOKOHAMAの中にオープンしました。

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「レストランなので、セイボリーパイ、お惣菜のパイも出したいと思いました。アップルパイ専門店とかレモンパイ専門店とかではなく、パイの百貨店を作りたかったんです。お惣菜のパイからデザートのパイまで、すべてがパイづくしで、新しい発見とか驚き、思い出を作ってもらいたいと思いました。日本でパイを出しているお店はデザートのパイを出しているお店が多いですが、アメリカに行って、夕飯や夜食にビーフミートパイやチキンパイとかシェパーズパイ、そういうお肉のパイを食べているのを見て、これは持って帰りたいと思いました。メニュー開発も、パイの百貨店というテーマがありましたので、セイボリーパイは20種類、デザートパイは9種類、レストランの脇にテイクアウトのコーナーを設けているのでそこに6~9種類。全部で30種類以上のパイを開発しました。パイに具材を入れて焼くと水分が多くてぐしゃぐしゃになってしまったり、あとは焼き加減、何度の設定でどのくらい焼けばおいしいパイができるのか、シェフが試行錯誤して開発した30種類です。」

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今年9月、六本木ヒルズに2号店が開店。こちらは、テイクアウトを中心にしたスタイルで、特徴は、直径7センチの手のひらサイズ。ショーケースにずらっと並べられたパイのなか、ひときわ目立つパイがあります。

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「特にこのアニバーサリーパイ。これはアーモンドのスポンジの上にホワイトチョコレートをかけたもので、スポンジが3段になっていて、その3段になっているところがウェディングケーキっぽくなっています。テイクアンドギヴ・ニーズは結婚式の会社ですが、私たちも日々の日常のなかにお祝いのシーンがあると思いますので、それをパイ・ホリックのパイで楽しんでいただきたい、演出していただきたいという想いで作っています。例えば、朝出勤したら誰かの誕生日だった、というときがあるじゃないですか。そういうときにお昼休みにパイ・ホリックでこの7センチの小さいアニバーサリーパイを買って、お昼の休憩のあとにお祝いをするとか、いろんなところでお祝い要素を楽しんでいただきたいという想いがこもっています。さりげないところがいいかなと思っています。」

アメリカ西海岸の生活に溶け込んだ おいしいパイを日本へ。そして、都心のライフスタイルを考えて作った 手のひらサイズのパイ。焼き上がったパイのなかには、こんな想いが詰まっています。日々の暮らしのなかに、さりげなく、特別な時間を。

30種類ほどのパイが並ぶ、パイ専門店『Pie Holic』ぜひ、日常のなかでスペシャルなひと時を演出してみてくださいね!メニューや店舗情報など、詳しくは公式ウェブサイトをご確認ください。

Pie Holic cafe & restraurant- YOKOHAMA

Pie Holic 六本木