JR大森駅からすぐの場所に2017年4月にオープンした。鯖の塩焼き専門店、『鯖なのに。』。開店したのは、都内に焼肉店やお茶漬け専門店など、いくつかの飲食店を展開する株式会社TonTonです。そんな会社が、今回、なぜ、鯖に注目したのか?『鯖なのに。』の店長、小畑雄太郎さんにうかがいました。

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「知り合いの料理人の方から、もの凄い鯖という商品を紹介いただきまして、それが今使っている茨城県にある越田商店さんのもの凄い鯖という商品だったんです。それをはじめて食べたときに衝撃的な美味しさを感じて、『これなら鯖一本でもお店をできる』と、お店を開くことになりました。」

小畑さんが衝撃をうけた、茨城県、越田商店の『鯖なのに。』。これはどんなものなのかと言うと、、、  

「ノルウェー産の真鯖を茨城県にある越田商店さんというところで、45年間、塩だけをつぎたして使っている秘伝のつけ汁があるんですけど、それに漬けて文化干しをした干物がもの凄い鯖になります。ノルウェー産の鯖なんですが、脂がのってるものだけを猟師さんがとっているんですよ。稚魚だったり、小さいうちは禁漁、とらないっていうきまりになっているんですね。十分に生育した鯖だけを使っているので美味しいんだと思います。」

『鯖なのに。』とは、ノルウェー産の脂ののった鯖を秘伝のつけ汁に漬けて、干物にしたもの。『鯖なのに。』では それを焼いて提供している、ということですが、一般の干物のイメージとは、大きく異なります。ふっくらとしてジューシー。言われなければ、干物だとは気づきません。

「食べた方は、干物だとは思わなかったと思うくらい、ふっくらして身がやわらかいので意外に思われるんですけど、干物でも、天日干しではなくて、文化干しなので、半生状態なんですよ。鯖をつけ汁につけたあとに、セロファンでつつんで風を当てて乾燥させる手法です。あと、味はこちらでは塩加減の調整はしていないんですが、ちょうどいい感じで仕上がっているのがもの凄い鯖だと思います。食べてみて、その名前の由来が分かっていただけると思います。」

茨城県の越田商店から仕入れた 鯖の干物=もの凄い鯖を焼いて提供している『鯖なのに。』。ポイントは、その焼き方です。

ひとつは火加減なんですけど、じっくり時間をかけて焼く、ということです。皮目に焼き目をつけて、腹目のほうではじっくり焼くことでふっくら仕上げるように意識しています。焦って火が強いと皮もやぶれてしまいますし、脂が鯖から落ちるので火がのぼって焦げ付くということがあります。火加減は繊細ですね。もの凄い鯖というのは干物なので、それを国産の備長炭でじっくり焼き上げることで、中はふっくら、外はかりかり、という感じに仕上げています。備長炭で焼き上げることで香りがいいというのと、脂が適度に落ちて、しつこくなくてさっぱり食べられるというのは一番いい点だと思います。」

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丁寧に焼いた鯖は、お弁当、または、定食で出されます。ごはん、お味噌汁、小鉢が、鯖の塩焼きをさらに引き立てます。

「毎日食べても飽きない鯖、というところで、そのためには美味しいお米を炊きたてで出したいということから、今使っているのは、大きな羽釜です。ガスの釜でふっくら炊いた白米と、野菜がふんだんに入ったお味噌汁。季節の野菜とか旬なものをあわせた野菜メインのおかずを定食にあわせています。例えば、小鉢で出しているのは、昆布をショウガの千切りで煮詰めたものとか。お味噌汁の具材だと、なめこと葉つきたまねぎに三つ葉。それから、大根おろしは甘酢で味付けしていますので、鯖を食べていくうちに箸休めというか味を変えて楽しんでいただく、という感じにもなっています。」

店長の小畑雄太郎さんに、最後にうかがいました。『鯖なのに。』という名前に込めたのは、どんな想いなのでしょうか?

鯖なのに、毎日食べても飽きない、とか。鯖というと、イメージ的にはあまり高級な魚ではないんですけども、鯖をもうワンランク上にあげた形にしたいということで『鯖なのに。』という名前なんです。若い世代の方は、焼き魚を食べる機会が最近は減っていると思うんですけど、古くからある日本の焼き魚というものを食べてみて、また新しい一面が見えてくると思いますので、もっとたくさんの方にもの凄い鯖の美味しさを知っていただきたいと思っています。」

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焼き魚の美味しさを、若い世代にもっと知ってほしい。そして、店長が出会ったもの凄い鯖の魅力を伝えたい。鯖一本で勝負する『鯖なのに。』。お店の目印は、白いのれんに、漢字で一文字、鯖。ふっくらと炊いたごはんと、絶妙な味加減の鯖の塩焼きがあなたを待っています。「もの凄い鯖」のすごさ、ぜひご賞味ください!


20170519hidden04.jpg1日限定50食の提供でテイクアウトも可能。

20170519hidden05.jpgこちらは1日5食限定

  • 鯖の塩焼き専門店『鯖なのに。』
  • 住所:東京都大田区大森北1-7-1
  • アクセス:JR大森駅から徒歩2分
  • 営業時間:午前11時~午後9時(不定休)
  • 電話番号:03-5764-3358
  • ウェブサイト:http://tonton-inc.com/restaurant/nanoni