今日は、映画監督、西川 美和さんの"PLAY IT LOUD"。

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おはようございます、西川美和です。わたしがいまリスナーのみなさんとシェアしたい曲は、David Bowieの「Starman」です。わたし実はDavid Bowie、聞いてきてなくてですね、去年、2016年に日本で公開された「オデッセイ」を観に行った時にマッド・デイモンが火星に取り残されて、たった一人でじゃがいも栽培しながら生きてるっていう、その途中でかかった曲なんですけれどもね。それ以降、偶然耳にしているうちに自分でも聞きたくなってですね、よく聴いています。濁りなく爽やかな感じというのがいいなぁと思ってます。だいたい私が曲を聴く時っていうのは、映画の世界観っていうのを作るためにいろんな曲を参考にしながら、それを聴きながら物語を書くことが多いんですね。なんとなく私、次、青春映画にしたいと思っていて、中年の青春映画になると思うんですけども、屈託なく前に向かっていくっていうことに、とても合っている曲なんです。では、聞いてください、David Bowieで「Starman」。

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映画監督、西川 美和さんに選んでいただいたナンバーは、David Bowie 「 Starman 」。

えっ!?次回作はこの曲にインスパイアされたストーリー?!教えていただいちゃって良かったんですか??西川監督もおっしゃっていましたが、この曲「Starman」は、昨年、日本で公開された映画「オデッセイ」で挿入歌として使われていました。火星での有人探査中、運悪く1人取り残されてしまったマッド・デイモン演じる宇宙飛行士のマーク。じゃがいもを栽培しながら飢えをしのぎ、助けを待つ、そんなシーンでマークが聞いていたのが、クルーのキャプテンが残した70年代のヒットソング集。その中の1曲が、この曲だったんですね。

サビの歌詞で

「There's a starman waiting in the sky」

(空でスターマンが待ってるんだ)

とありますが、まさにマークのことを歌っているかのごとく! 

さて、わたし西川美和の近況ですが、原作・脚本・監督を務めた映画「永い言い訳」のDVDとブルーレイがリリースされました。

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本木(雅弘)さん演じられた幸夫という男はですね、非常に自意識が強くて、利己的で、たった一人自分を支えてくれた奥さんともきちんと愛情関係を築けずに、そのままその奥さんを不意な事故で亡くしてしまって、たった一人の生活を始めるんですけども、同じような境遇で出会った一家とだんだん近づいていくっていう話なんですが、今まで関わったこともなかったような竹原ピストルさんが演じてくれた大宮陽一というトラック運転手、さらにその子供たちと関わりながらいろんな風景が変わってくるんですけれども、最初は嫌な男だなぁと思ってみんなご覧になると思うんですけど、少しずつだけど変化をして、また変化して変われたと思って、また振り出しに戻ったりして、そういうところを観ながら、いつの間にか、あんなに嫌だったはずの幸夫をですね、みんなどこかで応援する気持ちになって見られる映画になってると思います。映画「永い言い訳」、DVDとブルーレイが発売中です。ぜひ、ご覧ください。以上、西川美和でした。