さて、今朝登場するのは、ロンドンオリンピックにも出場されています、飛鳥交通所属、ピストル射撃選手の小西ゆかり選手です。

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ピストルを使い、的をめがけて撃って、点数を競う競技です。種目がいくつかあるのですが、今日は小西選手が出場されている中で、的までの距離が「25m」の種目について教えていただきます。この種目で狙う的ですが、手の平くらいの大きさの円になっていて、中心に当たるほど点数が高くなります。(中心は大体ペットボトルのフタくらいの大きさで、当てると10点になります)それを25m先から狙うんですね。まずは、小西さんとピストル射撃との出会い。そして気になるピストルの管理についても伺いました。

「高校を卒業してから自衛隊に入隊して、で、自衛隊で射撃と出会いました。みんな隊員って一人一人小銃訓練を受けるんですけど、その小銃が(的に)当たって、しばらく普通の勤務をしていたんですけど、朝霞駐屯地にある自衛隊体育学校からスカウトされて、2000年から競技を始める事になりました。空気拳銃の方は自宅保管なので、自宅に持って帰っていますが、装薬拳銃の方は最寄りの警察署の方に保管させていただいています。練習の度に警察署に寄って、拳銃を出させてもらって、弾も出して、練習が終わったらまた格納させてもらうために警察署に行って、で、弾数もしっかりと管理しないといけないので、何発撃ちましたと言って、代表者の印鑑をいただいたものを提出しています。」

道具が道具なだけに、やっぱり厳重な管理をされているんですね。もちろん、ピストルを使うには、銃刀法の試験や、免許が必要です。そして今回、取材にあたって、特別に練習の様子を収録させていただきました。大体ピストルの重さが2キロ。そして引きがねの重さは1キロあるんだそうです。これを1試合、合計60発撃って、その総得点で競います。競技自体は、的の高得点を狙うという、解りやすくシンプルなルールなんですが、この競技ならではの難しさがやっぱりありました。

「そうですね、難しいと思っているのは、シンプルに撃つって、すごく...できそうで、当たり前じゃないんですよ。本当に今でも思うんですけど、欲とか、複雑に考えたりとか、余計な事をすると当たらないんだなって未だに思うので...。狙うと、的を見ちゃうんですよ。的を見ると、当たらないんですよ。要は、自分と銃口までの世界で、その動作をやるべき事をやって、その結果が標的に表れるので...。やっぱり試合になるとちょっとプレッシャーがかかりますよね。やっぱり人間なので、いろんな気持ち が次から次へと出てくるんですけど、その中で60発同じ動作を続けるっていう、そこに難しさを感じます。射撃ってイメージと全く違うと思うんですよ。本当に芸術的なスポーツだなって思います。」

自分がベストなフォームをつくって、ピストルを構え、心をぐーっと落ち着かせ、25M先の、的の中心に向かって狙いすぎないように、でも高得点を狙って撃つ...動揺も押さえつつ、それを60発撃ち続ける... まるで職人さんのよう・・・ だから芸術的ということなんですね。意外でした。最後に、小西選手の目標について伺いました。

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「2016年のリオデジャネイロオリンピックを目指して今やっているんですけれども、もしオリンピックに出場できたら、自分が納得のいく形で60発を全て打ち切りたいという目標があります。」

リオデジャネイロ・オリンピック出場をかけた大会はあと2つです。小西選手、期待しています!  応援しましょう!