今朝は和歌山県、有田川の中流に位置する有田川町です。「有田みかん」の産地として全国的に知られているとおり、和歌山県はみかんの生産量が日本一です。しかし、もう1つ、生産量日本一の名物があるんです。それは、「山椒」。ここでは、ぶどうの房のように実がなる「ぶどう山椒」という種類をメインで栽培しています。他の種類に比べて、香りや味がしっかりしていますが、葉や茎に鋭いトゲがあり、収穫に手間がかかるようです。

  • これから「山椒の旬」がはじまります。

春になると、山椒の若葉が出て、花が咲きはじめます。そして、これからの季節は、この若葉を、ゆがいた旬のタケノコに和えたり、おすましに、スパイスとして加えたりして食します。時期的に、種はまだ柔らかいので、そのまま「実山椒」として、甘く上品な香りと食感を楽しみます。実の粒が本格的に大きくなるのは来月中旬ごろから。気温が上がる夏に向けて、香りや辛味が強くなっていきます。その後、硬くなった実を乾燥させてから石臼で挽いて、保存が効く「粉山椒」となって食卓にのぼります。ピリッとした刺激は日本独自の香辛料といえるでしょう。さて、朝は、昆布と一緒に佃煮にした「山椒昆布」をあたたかいごはんと一緒にいただきましょう。