今朝は奈良県の吉野川流域にある五條市。大阪からも京都からも電車でおよそ2時間の場所にあります。室町時代から秋の味覚、果物の柿の名産地として知られ、生産量はお隣の和歌山県に次いで二番目。標高およそ200メートルの山の斜面には柿の果樹園が続き、ちょうど今の時期は実が色づき、秋の風景が広がります。昼と夜との寒暖差が大きく、斜面で水はけと風通しがいいので、良質の柿が収穫できるのだそうです。おととい行われた"柿の里まつり"では、柿の詰め放題の直売など多くのお客さんが訪れて賑わいました。特産の柿は、切ってそのまま食べるのはもちろん、古くから、干し柿などに加工して、料理の食材として使われてきました。また果汁を発酵させてから熟成させた「柿渋」は防腐剤としての塗料から民間薬まで、さまざまな用途で使われます。

地元名産の押し寿司は「柿の葉寿司」です。

「柿の葉寿司」は和歌山で水揚げされた鯖を一度塩漬けにして、その薄い切り身を酢飯と一緒に一口サイズに握り、柿の葉で包んだものです。抗菌作用がある、柿の葉っばを使う保存食として、江戸時代に誕生したといわれています。鯖の切り身を使うのが一般的ですが、鮭もまたポピュラーで、穴子やシイタケの押し寿司もあるようです。握りたてよりも、一晩おいた朝、さらに味が馴染んでおいしくいただけるのがポイントです

あたたかい柿の葉茶と一緒にどうぞ。