今朝は中東のサウジアラビア王国です。イスラム教徒の人々は、毎日5回、「メッカ」の方向に向かって祈りを捧げ、一生に一度は「ハッジ」と呼ばれる大巡礼で「メッカ」を訪れます。イスラム教徒にとって、神聖な土地です。イスラム教徒以外は立ち入りが厳しく制限されているこの街の周辺に、今年の大巡礼では世界中から200万人近い信者が訪れました。

その中心地の、高層ビルが立ち並ぶ一角に、地上600mあまりという、世界トップクラスの高さを誇る「メッカ・ロイヤル・クロック・タワー・ホテル」があります。頂上近くには、直径46メートルで、遠く離れた場所からも時刻を読み取ることができる、世界一高い時計台があり、静かに時を刻んでいます。その大きさたるや、ロンドン名物の時計台「ビッグベン」の6倍。最先端の建築技術を駆使して2012年に完成しました。

サウジアラビアの朝は「カフワ・アラビーヤ」で始まります。

コーヒーの語源になったという説もある「カフワ」。アラブ諸国でよく飲まれる「カフワ・アラビーヤ」は、色も香りも、一般的なコーヒーとは一味違います。片手鍋に焙煎したコーヒー豆を粉にして入れ、砕いたカルダモンを加えて、水を注いで火にかけます。沸騰しては火を止め、という作業を繰り返し、上澄みの部分を小さなカップに注ぎます。

イスラム教ではお酒を飲む風習がないので、みんなで「カフワ」を飲むことに、大切な意味があります。感謝を表す、友好関係を築きたい、などなど様々な気持ちを込めて、もてなします。砂糖は入れず、甘いナツメヤシの実と一緒にどうぞ。