世界の海は いま、急速な環境の変化に耐えられず、元の生態系が徐々に失われつつあります。そんな海で何が起こっているのか...実態調査のため、そして未来における環境教育のため2003年から 世界の海を科学者と共に航海している科学探査船、タラ号。

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世界各国をめぐってきたタラ号が今年2月に小笠原の港に到着。日本周辺の海域を独自に調査、海の現状が世界に向けて発信されています。番組では今年1月に、タラ号プロジェクト事務局長のロマン・トゥルブレさんをスタジオにお迎えし、タラ号の目指す未来について、熱くプレゼンテーションをいただいたのですが、、、そのタラ号が、先月、横浜港に来航。東京湾までのクルーズのなか、タラ号がおこなってきた環境啓発活動に触れることができるということで、ジョン・カビラ、その機会をとらえることができました!全長36メートル、横幅10メートルのアルミニウム製の素材で出来た、大きな帆船へいざ、乗船です!

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フランスの科学探査船・タラ号。案内をしてくれたのは、1月に番組へお越し頂いた、ロマン・トゥルブレさん です。先にも触れましたが、全長36メートル、横幅10メートル、アルミニウムで出来たこの船は、500日にも渡る 北極での海洋調査を乗り越えた実績を持ちます。

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船員16名が集まることが出来るリビングルーム、ベッドルーム、食料庫、修繕工場、そして、このエンジンルーム、、、さまざまな部屋をご案内いただきました。

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広い海を渡り歩く船です。最大4ヶ月間、港に寄ることなく航行することができる食料を揃えています。去年から2018年にかけては、アジア太平洋地域で サンゴ礁の調査をおこなっているタラ号。

2月に到着した小笠原諸島 ・ 土島の海洋環境は、心配する必要が無いほどに キレイな海が残っていた反面、沖縄では徐々にサンゴが白くなってきている(つまり、死んでしまっている)という、日本の海洋環境...。生態系を調査するために、船内には、特別な場所が設けられていました。

ドライラボ、実験スペースですね。生物を採取して記録する、標本を作る場所。重量、サイズ、質量、リトマス試験も行います。光合成のプロセスも調べることが出来る...。研究室ですね。記録を取ることが出来るレーザーでの計測もすることができるラボで、24時間、常に環境のチェックをしている状況です。

たたみ一畳ほどの広さのラボですが、さまざまな機材が所狭しと並んでいました。

最新機器を積み込む タラ号。たとえ北極海にいても、横浜港にいても、伝えねばならぬ環境の変化を、すぐさま伝達できる、そんな場所も用意されています。

船上にはジャーナリストが一人いて、ラジオ、テレビ用の取材対応、ブログもここから発信されるそうなんですね。衛星経由で世界に発信できる状態になっています。

横浜港から竹芝・東京湾までの4時間弱、、、タラ号が直面した環境問題、世界各国で取り組む啓発活動について動画を用いたり、人と触れ合ったり、時に、海を眺めながら学ぶ、、、貴重な時間でした。このあと、東京から下田、そして沖縄の海を調査し、その後は1年間、日本とはお別れ。でも、来年5月に再び日本にやってくるタラ号です。

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仙台と東北まで船で向かいたいですね。東北を応援するためにもね。その後は2019年、2020年にかけて北極圏をおよそ1年半かけて航海します。再び流氷の間を航海するんです。ジョン、君も来るよね?寒さが気にならないなら数日は大丈夫。北極圏での調査の目的は、海の生態系を観測すること。北極圏の氷河はどんどん溶けています。地球全体の海水温が上昇しているため、海の生き物がどんどん北上しています。プランクトンも海水温度が高い南の海では行き場を失い、北の海に大量発生することになる。今、北極の海はどうなっているのか探るんです。

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以前、ロマンさんがスタジオにお越しくださった際に「気候変動は致命的な状況になりつつある今、子どもたちに現状を伝え、地球との関わり方を考え直すとき。」と熱くお話をされていたことを思い出します。未来の子どもたちへ、私たちが見えている美しい自然を残せるか。私たちの一挙手一投足にかかっています。