今朝は、避難所で多文化共生を考える...そんなテーマを題材とした冊子を発行したNPO法人 松山さかのうえ日本語学校に注目します。

愛媛県松山市を中心に、地元住民の皆さんと愛媛に暮らす外国人とが共に住みやすい社会を目指して活動する 松山さかのうえ日本語学校。去年5月から 災害・防災について学ぶ国際防災教育プログラム「What's BOSAI? Let's BOSAI!」を定期開催し、年末には 国内外の参加者から出てきた意見をまとめた冊子を作成しました。

詳しいお話を代表の山瀬麻里絵さんに伺いました。

うちの中心メンバーが「山瀬さん防災やりましょうよ」みたいな。「タダでさえ病院に行くだけでも大変な外国人が多い中でいざ日本人も自分のことだけでいっぱいいっぱいな状態で外国人の方って大丈夫なんですかね?」と口酸っぱく言ってくれている学生が居て。そこからイベント形式で楽しく防災を日本人と外国人が学べる場所があっても良いのかなと思ってこのプログラムを始めて。プログラムのなかで気付いたことやびっくりしたことをまとめていこうというのがみんなの中にあって、それを冊子にして全国の皆さんに発信していこう、というのが途中で出てきた内容ですね。

ダンボールベッドやパーテーションを作り、防災食をみんなで食べる。災害時に必要な知識を身に着けていくなかで、日本と海外。その意識の違いから「「お互いにビックリした!」」ということが非常に多かったといいます。

今回イスラム教の学生さんが多くいらしたので、私は単純に「豚肉は食べられない」「アルコールが入っていてもダメ」という知識しかなったんですが、この冊子のなかで「お風呂に入るときに同じ女性だからといって一緒に入ってはいけない」とか。宗教上のことの気づきが多かったですね。毎日5回お祈りするというのは日本じゃ想定できないので、お祈りする前に毎回手や顔、足を洗わないといけないから「避難所では祈るためにお水が必要だ」という声は結構びっくりしました。

他にも、非常時に掲示される看板の日本語が難しい、日本の食べ物はパッケージだけでは中身を予測しづらい。といった声も。多くの人がBOSAIを学び、その後の生活に何が必要か確認し合うことができたという今回のイベント。

この冊子を作り、防災の意識が向上したと同時に、「周りにどんな人が暮らしているのか。」考え直す機会にもなったと山瀬さんは振り返ります。

防災の冊子は本当にキッカケで、私たち作ったメンバーは基本的にリアルに外国人の方と話してダンボールベッドを作り防災食を食べ、というつながりや寄り添い合えるキッカケがあってここまでたどり着いたところ。これを手にとってくださったみなさんが色んなところで寄り添いあえる機会を作っていってくださったら嬉しいと思っていますし、日本って自分たちが思っている以上に世界から見たら災害が多い国で、海外の方も「日本をどうにかしたい」と思ってくださるくらいな国である、ということが私はこのプロジェクトでびっくりしたことのひとつなんですけど、だからこそ日本人はもう少し、まぁ私が特に意識が薄かったからなんですけど主体的に防災について考えないといけないし、私は学生から機会をいただいたのでこのような冊子が出来上がるまできたんですけど、日本全国でこういう活動が増えていくと良いなと思っています。

NPO法人 松山さかのうえ日本語学校が作成した冊子What's BOSAI? Let's BOSAI! 避難所における多文化共生を考える」。ご希望の方は団体へ問い合わせをお願いします。

NPO法人 松山さかのうえ日本語学校