今朝は、シリア支援団体『サダーカ』のアドボカシー・グループ・リーダー、小泉尊聖さんに お越しいただきました。
Q サダーカ、どのような団体でしょうか?
サダーカはアラビア語で「友情」を意味する言葉。私たちはシリアの日常や声を紹介することで、シリアの紛争を終結させるための行動を世界へ促す、世論を作るための団体です。
Q なので、アドボカシーグループが存在するんですね。 そもそもどのようなきっかけで生まれた団体でしょう?
平和だった頃のシリアにJICAから多くの青年海外協力隊員や明治学院大学の学生たちがホームステイ等を通じ現地のシリア人と交流していました。その後、2011年に紛争が始まり、旧友/街が壊されて苦しんでいる、そんな現状がありました。友人を見捨てる事はできない、何が出来るかを考えたときに、紛争を止めさせるために声を上げて世論に訴えかけようと活動が始まりました。
Q 団体活動の具体的な内容は?
私たちの多くのメンバーはシリア国内や、シリア国外へ逃れた友人と関係を続けています。そこから収集した声を日本各地のイベント・シンポジウム、映像メディア等を通し発信している。
私たちは2016年に「国際協力NGO 日本国際ボランティアセンター」、「日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)」、「国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン」と協力して『シリア和平ネットワーク』を立ち上げました。これは市民、NGO、研究者のネットワークでシリア紛争の終結に必要な政策提言を行っています。
2018年3月にはシンポジウム<シリア人の声をつなぐ>を開催。現地の鬼気迫る声を届けて頂き、さらに、シリアの政府勢力・反政府勢力が衝突する前線に故郷がある女性の声を寄せていただきました。
Q 内戦に加え、アメリカ軍からの基地空爆もありました。様々なニュースが伝わってきていますが、どのような現状でしょうか?
私の友人の家族は、ミサイル「トマホーク」が頭上を通る街に住んでいました。爆撃の夜は生きた気がせずにショックで震えていたと聞いています。そのような現状はメディアでも伝わっています。
ただ実は、この「トマホーク」はひとつ1~2億円するといいます。私の違う友人はシリア南部で村長のような業務を担当しています。彼曰く「今後6ヶ月ほど夏が続くが水がない。水を汲み出すための発動機用にディーゼル油を購入しなければならない。その費用が1ヶ月で1万3000ドルほどかかる。半年で7万8000ドル(およそ850万円)。ミサイルの10分の1未満のお金でひとつの村・街の水が守られる。」と訴えかけています。こうした現実を見ているさらに別の友人は「この世界に人間の価値がないことと同じではないか、この汚いドラマを終わらせよう!」とメッセージを投げかけてくれました。
Q 国際社会がいま、何が出来るのか。武力ではない発想で考えたいですね。
アンテナを拡げて、生身のシリア人の声を聞くことで「どんな小さなことでもやってみよう」という想いをいだき、更にそれをつなげて、皆がUNITEDすれば、大きなチカラになるのではないかと思います。
~サダーカ、詳しい情報はウェブサイトからぜひご覧ください。