今朝は、「認定NPO法人国境なき子どもたち」の理事で、フォトグラファー、清水匡さんにお越しいただきました。

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Q  国境なき子どもたち、どういう団体でしょうか?

「国境を越えてすべての子どもに教育と友情を」というビジョンを掲げて活動している団体。貧困や紛争、災害で困難な状況にある子どもたちに教育や職業訓練、自己表現の機会を提供している。また「共に成長するために」という理念のもと、日本の子どもたちが世界の子どもたちの抱える現状を知り、お互いに支え合える次世代を育成している。

Q  現在おこなっている支援について、ご案内いただけますか?

現在、カンボジア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、ヨルダン(シリア難民)、パレスチナ、そして日本で活動中。その国々で違いはあるが、ストリートチルドレン、児童労働、人身売買の被害に遭った青少年、法に抵触した青少年、紛争や災害でこんな難状況にある子どもたち、母親や学校、地域など子どもたちを取り巻く人々などの支援に尽力している。

Q  団体では、「支援を受けにくい子どもたち」に向けてもアクションをされているということですが、「支援を受けにくい」とは、どのような子どもたちを指すのでしょうか?

・15歳以上の青少年への支援

幼い子どもたちには支援が集中する一方、支援を受けにくい年齢が15歳以上といわれている。こうした子どもたちが「若者の家」(衣食住を提供)という施設で安心して生活することで勉強や自分の将来に集中し、自立の準備ができる。

例)若者の家で生活している少女ソピア「私はここでおいしいご飯を食べて綺麗な服も着せてもらって、勉強することができます。でも今こうしている間にも私の妹や弟たちはご飯も食べられないような生活をしているんです。家のことを思うと今すぐにでも帰りたい。でも今の私には家族を養うことができません。だからあと数年一生懸命勉強してお父さんお母さんを助けるようになりたいんです」

・鑑別所に収容されている青少年への支援

子どもが路上で生き抜くためにはギャングなどに属して身を守るなどしています。一方、窃盗や薬物の犯罪を強要されるケースも少なくありません。鑑別所には罪を犯した子ども以外に虐待や性的被害を受けた子どもたちも保護を名目に収容されています。不当に収容されている子どもたちの解放や保護をしています。

例)今年の8月、フィリピンの鑑別所に行って調査をした際、自分は何もしていないのに収容されているという男の子がいました。彼は父親と一緒に小さな家に住んでいました。その家は父親が所有していましたが、父親が亡くなったことで従妹の叔母が人を雇って自分を殺そうとしたそう。そして路上で生活するようになりました。ある日友だちと一緒にいた時、友だちがお店の物を盗み二人で逃げましたが、彼だけ捕まってしまい鑑別所に収容されてしまった。その後、法的な手続きを取って、釈放し、家に戻すことができないために若者の家で保護することになりました。

・音楽、美術など情操教育の提供

海外では公立学校に情操教育がない国もあります。音楽や美術は必要不可欠ではないかもしれませんが、子どもが子どもらしく、のびのびと成長するにはこうした情操教育は欠かせないと考えています。

・災害などの被害が大きくない地域での支援

緊急支援で最も必要とされるのは、医療、水食糧、テントや避難所です。子どもたちが一日で最も多く過ごすのは学校です。災害などで学校が倒壊すると、子どもたちは勉強できないだけでなく友だちと会う機会を奪われ、非日常的な環境に身を置くことになります。子どもセンターなどを設置しそこで子どもたちが遊んだり勉強したりすることで少しでも日常を取り戻すことができます。

Q  私たちができる支援、ご案内いただけますか?

団体では寄付を受け付けている。例えば、1000円あれば、フィリピンの子ども1人に1日3食、5日間、食事を提供できます。2500円あれば、カンボジアの青少年1人に一カ月職業訓練を提供できます。5000円あれば、シリア難民の子ども50人に軽食を提供できます。ぜひアクションに参加してほしい。

〜「国境なき子どもたち」の詳しい活動について掲載されたページへリンクをはります。

認定NPO法人国境なき子どもたち