今朝は、子どもたちの教育格差を解決するために立ち上がったプロジェクトについて ご紹介します。スタジオには、スタディクーポン・イニシアティブ、代表の 今井悠介さんにお越しいただきました。

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Q  スタディクーポン・イニシアティブ、、、どんな取り組みでしょうか?

子どもの教育格差を解消するために、様々なNPO、企業、自治体、市民がコンソーシアムを組んで、取り組む活動です。お金が理由で、塾に行くことができない中学3年生に対して、提携した塾や家庭教師などで利用できる「スタディクーポン」を提供します。

Q  今井さんは、子どもの貧困問題を解決するために活動されている 「チャンス・フォー・チルドレン」という団体の代表も兼任されています。金銭的な理由が教育格差を生む理由、ご解説いただけますか?

親の所得格差が子どもの塾代にかけられる費用に直結してしまい(塾代格差)、結果として子どもたちの将来の可能性にも影響を与えてしまう(不平等の連鎖)。今の日本は子どもたちの間に機会格差を生み出してしまう構造になっている。

Q  各家庭での教育格差、どのような事例があるのでしょうか?

これまでチャンス・フォー・チルドレンで、6年以上にわたり教育格差の問題に取り組んできました。いくつか例を挙げると...

  • 志望校に合格するために、本当は5教科全ての授業を受講したいのだけれど、それが1教科だけしか通えない子ども
  • お母さんがご病気で働けない状況にあり、高校受験のときに同級生が毎日塾で勉強するなかで、自分一人だけ塾にいけなかった子もいる。結局、志望校を大きく落として高校に進学した。

Q  今回、クーポンの対象になっているのが、中学3年生の子どもたち。この世代に注目されたのは何故でしょうか?

教育無償化という話が上がる中で、幼児教育と高等教育の無償化については議論が行われてきたが、子どもが一番長い時間を過ごす小学生、中学生、高校生の教育格差については議論が行われてこなかった。特に日本では塾代等の学校外教育支出の割合が高く、年収が低い世帯では塾代などの支出ができない。中でも一番教育費がかかるのが、高校受験を控えた中学3年生。現場では深刻な声が上がっているこの問題に対して光を当てたいと思っている。

Q  具体的にどのようなサポートを始められるのでしょうか?

低所得世帯の子どもに、提携教育機関で利用できるスタディクーポンを提供します。第一弾プロジェクトは、渋谷区と協働し、渋谷区内の子どもたちを対象に実施する。提携教育機関は、学習塾、家庭教師、通信教育や、不登校の子どもに特化した支援団体や、困難な子どもの学習支援などを行うNPOなどがあり、幅広い選択肢がある。

また、子どもたちには、市民の大学生ボランティアが定期的に面談し、進路や学習の相談にのりながら、クーポン利用をサポートする。市民、企業、NPO、自治体が力を合わせて取り組む。

Q  勉学について、そしてその先にある自分の進路について 前向きに考えることが出来る、、、そんな子どもたちが増えそうですね!

構成団体の一つである「チャンス・フォー・チルドレン」はこれまで東北を中心にこの取り組みをしてきたが、すでに学力向上などの変化が出ているというデータもでてきている。そして、クーポンを使う子どもたちには、このクーポンの裏側にたくさんの応援者がいるということを感じてもらいたいと思っている。これを前に進むエネルギーにしてもらえれば。

Q  この取り組みを応援したい!という方はどちらにアクセスすれば良いですか?

この活動は将来的には全国の政策として実施ができる状態を目指しているが、立ち上げ資金は、クラウドファンディングで寄付を募っている。11月30日まで、クラウドファンディングサイトのCAMPFIREで、5000円~の寄付を受け付けている、是非、全国の皆さんにプロジェクト立ち上げ資金の応援をしてもらいたい。

〜スタディクーポン・イニシアティブ、そして クラウドファンディングのサイトへリンクを貼ります。ぜひアクセスをお願いします!

http://studycoupon.hatenablog.com/

https://camp-fire.jp/projects/view/42198