今朝は、一般社団法人エーエルサイン、代表理事の林秀治さんにお話をうかがいます。

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Q まず、「エーエルサイン」、どのような団体なのでしょうか?

食物アレルギーを持つ子どもたちが誤飲誤食をできる限り防げるよう、アレルギーの品目をわかりやすく図案化したカード「食物アレルギーサインプレート」を作り、患者さんに使っていただいている。

Q 具体的には どのようなアクションをされているのでしょうか?

「食物アレルギーサインプレート」の普及活動を通して多くの人に、個人が抱える、 それぞれの伝えづらい問題に気づいてもらうための仕組みづくり作っている。今となっ ては、誰もが何となくでも知っている「食物アレルギー」という疾患だが、活動を始 めた頃は、まだまだ浸透しておらず偏見なども多かった。そこで、あえてカミングア ウトするようなカードを普及させようという活動には賛否両論があったが、現在は、 全国300箇所以上の医療機関のドクターの協力をいただき「食物アレルギーサインプ レート」の普及が進み、スタンダードになりつつあるところまで来た。

Q 発足のキッカケは何だったのでしょう?

10年ぐらい前に 重いピーナッツアレルギーに悩んでいたお子さんがいて、そのお母さ んから「遠足やおやつ交換会などで誤食しないように何らかのカタチで子ども同士で もわかるようなものを作ってくれないか」という相談を受けて、アレルギー項目を個 人個人で組み替えて貼って使える表示カードを考えて作ったのがきっかけだった。

Q 「食物アレルギーサインプレート」、実際にお持ち頂きましたが...

  • 必要に応じて名札のように衣服に着ける
  • カバンやリュックなど持ち物に着ける(27の特定原材料原材料項目がイラストでひと目でわかるようになっている)
  • 子どもの食物アレルギーに合わせて表示項目を変更することも可能
  • 「食物アレルギートラベルブック」というツール冊子には、海外旅行時にレストランなどでアレルギーがある旨を伝えるカードを付属している。

Q 利用者からは、どのような声が届いていますか?

つけていると、周りの人も気にしてくれるきっかけになると親御さんから意見をいた だくことがある。


Q 子どもだけではなく、広い年代で使用ができそうですね。

食物アレルギーの問題については、小児ばかりではなく成人や高齢者にも及ぶ。また、 インバウンドという点で考えると 国際標準のような伝達方法が飲食店などにも求めら れてくると思う。伝えるメッセージの方法やデザインもより多様化していく。これから も色々な声を聞きながら、できるだけ多くのニーズに合うコミュニケーションツールを 考えていきたいと思っています。

Q 「エーエルサイン」今後の展開は?

今、当団体では「バイシグナル」というキーワードを掲げています。気づいてもらう、 きっかけを作るという意味ですが、気づきは 問題を解決する前の最初のスタートライ ンだと思う。ただ、伝えることで偏見を生んでしまうなどの理由でスタートラインに も立てず、当事者やその理解者だけで問題を抱えていることは、まだまだ世の中にた くさん溢れている。そんな人たちが少しでも風当たりが良くなるように、どんな仕組 みで気づいてもらうのがいいかを、コミュニケーションデザインを通して考えていき たいと思っています。

詳しくはWEBサイト 一般社団法人エーエルサイン をご覧ください。