今朝は、NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンから、石田由香理さんをお迎えしました。

20170127come.jpg

Q  フリー・ザ・チルドレン・ジャパン、どのような団体ですか?

1995年カナダで、当時12歳の少年が立ち上げた子どもたちを支援するNPO。「貧困や児童労働から子どもをFree(解放)すること。」「『子どもは無力だ』という考えから子どもをFree(解放)すること。」を目的に活動。日本では1999年から活動開始。

Q 今回、フィリピンの盲学校を支援するクラウドファンディングを始めたんですよね?

クラウドファンディングサービス"Ready for"で【障害者の可能性を閉ざさない フィリピンたった1つの盲学校の挑戦】と銘打ち、800万円を募っている。

Q  なぜ、フィリピンの盲学校支援を始められたのですか?

フィリピンでは、国に盲学校は2校しかなく、高校卒業までの教育が受けられる盲学校はたった1校だけ。地方では特に、障害者理解が進んでいないことや、学校の数も少なく通学距離が長いことなどが理由で、視覚障害者が教育を受けるのは本当に困難。

Q  目が不自由だけど、学びたい。子どもたちはそこに集中しますよね。

障害者が大学進学資格を得るため、あるいは職業訓練を受けるためには、このたった1つのフィリピン国立盲学校に通わなければならないため、フィリピン全土から志願者が集まるが、修繕が必要な箇所が多々あり、勉学はもちろん、通学の補助が必要。

Q  このプロジェクトは、石田さんが中心になっているそうですね

私は1歳3カ月で失明してから、高校卒業まで盲学校に通っていた。大学1年生の終わりに、フィリピンのスタディーツアーに参加。そこで出会った、路上で暮らす子どもたちや貧困を理由とする性産業・虐待から救出された子どもたちを忘れられない。そのツアー中、「君は目が見えないのに、英語もしゃべることができるし、こうしてフィリピンに来ることができる。フィリピンではまだまだ障害者は何もできない存在だと思われている。」と言葉をかけられ、自分がこの国で出来ることを探していた。

Q  フィリピンではまだ、日本ほど支援の手が行き届いていない?

フィリピン教育省は、視覚に障害のある子どもの初等教育就学率が5%未満、高校に進学できるのは2%未満だと発表している。世界保健機関(WHO)が開発途上国における障害者の割合をおよそ15%と発表している一方で、2010年にフィリピン国家統計局は自国の障害者率を1.57%と発表した。フィリピンではまだ多くの障害者が出生届けも出されないまま、その存在すらないものとされている。

Q  このプロジェクトが達成したら、どのような支援ができるのでしょう?

学生たちが宿泊している築46年の寮の屋根は、太陽の熱を直接寮内に通し、午前でも35度を超えてしまうような屋根なので、、この盲学校に併設する寮の屋根の修繕を行う。さらに、点字ブロックのような物も無いので、安心して学校へ通えるよう、大型バスの購入を検討している。

Q  この放送をお聞きの方に、メッセージをいただけますか?

フィリピンにたった1つしかない盲学校の学生たちや先生方と一緒に、視覚障害者の社会参加の機会を広げ、教育環境を整えていきます。そして、視覚障害のある生徒でも輝ける、という卒業生を作り、「僕にも、私にも、できるんだ」とすべての視覚障害のある子どもたちに希望を持ってもらいたいと願っています。

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンが行っているクラウドファンディング、2月15日(水曜日)まで実施中です。ぜひアクセスしてください。

フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

クラウドファンディング