今朝お越しいただいたのは、行政と連携して、日本で「初めて」ネコの殺処分ゼロを実現した東京、千代田区の団体です。一般社団法人「ちよだニャンとなる会」、代表理事の古川尚美さん。

Q 千代田区で、ネコの殺処分ゼロを達成した、ということで、これは、大きな成果、ですよね!?

日本では1年間で161,000頭のネコたちが殺処分されてしまうという現状があるが、千代田区と協力、連携することで2011年度に殺処分ゼロを実現。以降、現在も継続してゼロをキープしている。

Q  そもそも、団体発足のキッカケは?

千代田区では、バブル景気による地価の高騰で空き地が増え、飼い主のいない猫が増えた。ネコへの苦情が増加する一方で、自費で不妊・去勢手術を施し、世話をする人たちも出てきた。こうしたことをきっかけに、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を行なっているボランティアの活動が千代田区議会で取り上げられ、2000年に「飼い主のいない猫の去勢・不妊手術費助成事業」が全会一致で採択、施行された。この事業を進めるために区がボランティアを募集。この時のネットワークを組織化した。

Q  ちよだニャンとなる会、具体的な活動内容を教えてください

主にTNR、、、Trap Neuter Return(一時保護/不妊・去勢手術/元の場所に戻す)活動を中心に、飼い主のいない猫の繁殖を防いでいる。不妊去勢手術をした飼い主のいない猫は、その印として耳先カットを行い、「地域猫」として一代限りの命を暮らしていた地域でお世話をうけながら全う。TNR活動の他には、子猫や人に慣れた大人の猫は里親募集を行い、家族の一員として家庭に迎えてもらっている。

Q ネコの譲渡会を開催されているとうかがいましたが、これはどんなもの?

千代田区の施設を借りるなどして、定期的に開催している。

Q そこに集まるネコたちは、どんな境遇のネコたち?

いま、千代田区では外で産まれる子猫は激減している。こうしたことから現在、譲渡会に参加する猫たちは小さな子猫はほとんどおらず、再開発で住む場所を追われたあまり人に慣れていない大人の元地域猫たちが多くなっている。ただ、大人の猫達を家族として迎えたいという方は、日本ではまだまだ少ないのが現状。

Q ウェブサイトには、「この活動がモデルケースになって全国に広がれば」、とあります。全国へ広げるために必要なことは?

他の保護活動をしている人からよく聞くのは、「行政に認めてもらいたい」「保健所の理解を得たい」という言葉。行政が飼い主のいない猫の問題に取り組んでいない地域は多い。千代田区は、区議会が決定し、区長から行政に指示が降りて来たので、行政が率先して動いている。この点で千代田区は恵まれていた。殺処分ゼロを5年継続中の成功事例、「政治の力+行政の力+ボランティアの力」。このモデルケースが、全国各地に広がり不幸な猫が減っていけば。

Q 協力をしたい、と思った方はどのように参加できますか??

それぞれの立場で協力が可能。当会のボランティアに参加したいと思ってくださった方は、ぜひウェブからご連絡を。保護猫を家族の一員として迎えたいという人は、当会だけではなく、様々な団体が譲渡会を各地で開催していますので、そちらをのぞいてみてください。また、実際ネコに関わる他に、サポート会員や、寄付をして飼い主のいない猫たちを支援することもできる。ぜひご自身に合うサポートを。

より詳しい活動内容は、一般社団法人「ちよだニャンとなる会」へ。