お迎えしたのは、NPO法人 マドレボニータ、代表の吉岡マコさんです。おはようございます。

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Q  まずは、マドレボニータ、どんな活動をされているのか、教えてください。

出産前後、特に産後に特化した、心と身体のヘルスケアのためのプログラムを開発、研究、普及しています。

Q 吉岡さんが この活動を始めたキッカケはどんなことだったんですか?

1998年に出産を経験し、妊娠中よりも産後のほうが心身はツラいということを知った。ところが、出産までは手厚かった妊産婦へのケアが、産後になると全くない。

「心身が不調のまま子育てをスタートしなければならないそのツラさをなんとかしたい」、「もっと元気な身体で、安定した精神状態で子育てがしたい」と考えました。

そのためには、身体のリハビリが必要だ、と思い立ち、産後に特化した心身のケアのプログラムを開発したのがスタートさせました。

Q 具体的には、どんなプログラムがあるんですか?

全国およそ60カ所で24人の認定インストラクターが教室を開催中です。

Q 参加されるお母さんたちの反応はいかがですか?

参加される女性たちの反応は大きくわけて4つあります。身体が元気になった、心が元気になった、パートナーとの関係がよくなった、社会とふたたびつながる意欲が湧いたというものです。

Q 吉岡さんが活動の中で感じているのは、どんなことですか?

子どもは社会の宝であり、みんなで育てていくもの。もっと家庭が開かれたものになって、子どもがもっと開かれた社会のなかで育つといいと思う。ただし、産後は「家族水入らず」なんていう言葉で、家族が孤立してしまう。

もっというと母子が孤立してしまう。その孤立を防ぐためにも、産後にもっとたくさんの人が手を貸し、サポートするような文化が当たり前になるといいなと思っています。

Q いま、マドレボニータが取り組んでいるのは、どんなことですか?

産後ケアが当たり前の社会を目指し、産後ケアが社会的なインフラに組み込まれるような働きかけをしている。企業へは、育児休業中の方の、職場復帰準備プログラムとして、法人プランをつくり、提案。⇒すでに3社導入されています。

Q 自治体へ向けての提案もされているそうですね?

自治体に向けては、「産後」には、産褥期と産後リハビリ期、社会復帰準備期という3つの時期があるということの周知、それに沿った支援が必要であるという啓発、児童館や保健センターで産後の女性と赤ちゃんのためのエクササイズの教室を開催している。ここへは、マドレボニータがインストラクターを派遣したりしています。

Q 出産後のお母さんのケア、活動を始めた当初とくらべ、どんな変化がありましたか?

以前は個人の問題とされてきた「産後」に起因する問題が社会的に認識されるようになってきた。産後うつ、乳児虐待、夫婦の不和など。また、メディアなどでも、「産後」という言葉が、普通に使われるようになった。そんなテーマのドラマもスタートしています。女性活躍推進法も成立して、出産する女性を支援する気運は高まっているとおもいますが、そこに「産後」が重要な鍵を握っているということは、まだあまり理解されていないと思います。

NPO法人 マドレボニータ