今朝お越しいただいたのは、NPO法人メダカのがっこうの理事長、中村陽子さんです。おはようございます。

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Q  団体名がユニークです!どんな団体なんでしょうか?

2001年から田んぼに注目して活動をしている環境NPO。田んぼは国土の7%を占め、人工的に平らで浅い水たまりを作って成り立つ。田んぼは"二次自然"といわれる場所で、メダカやトンボや水生昆虫、トキやサギやカモなど多くの水辺の生きものたちの命をつないできた重要な所。そんな自然再生の拠点になるような田んぼを広げようと頑張っている。

Q  活動を始めるキッカケは?

私自身、生きものがいっぱいいる田んぼに出会ったこと。ご存知の方は少ないかも知れないが、日本の田んぼは1年の内4か月ほどしか水を入れていない。ところが冬の間から田んぼに水を張っただけで、絶滅危惧種のニホンアカガエルが復活したり、糸ミミズやユスリカなどみんなの餌になる生きものたちが増え、生態系が大きくなる。稲以外の生物が居ない「沈黙の田んぼ」では無くなることを知った。

Q  少しの工夫で環境が変わっていく?

「環境なんて何をしたってそう簡単に取り戻せるもではない」と諦めていたが、意外と簡単に生きものたちが復活する方法があること、絶滅危惧種の生きものたちも環境さえ整えれば復活することが分かり、希望が湧いた。これが活動のキッカケになった。

Q 季節柄、ちょうど苗植えが終える時期ですよね?

4月5月は毎週、千葉や伊豆、栃木などの田んぼの苗植えへ行っていた。さらに郡山や佐渡には田の草取りに、生きものいっぱいの田んぼを知ってもらうため子どもを含めたチームで参加している。

初めは恐る恐る田んぼの泥に足を入れていた子どもたちも、しばらくすると虫たちを追いかけるのに夢中。この楽しい体験で、田んぼの多様性に気づいてくれると思っている。

Q  今の農家さんの現状として

「経営が厳しい」という声も上がって居る場所もあると 耳にします。

活動を始め、農家と親しくなるうちに、絶滅危惧種はメダカやトキではなく、このような田んぼを作ってくださる農家だということにも気付いた。このような素晴らしい農家にも後継者はほとんど居ないのが現状。これは大変が事態。このような田んぼで収穫したお米を後継者ができるくらいの価格で買って、食べる人を増やすことが先決だと気が付きました。

Q  そのお米の販売も行っている?

メダカのがっこうで、この田んぼが日本中に広がるよう願いを込めて、販売中。本当は一人に1年で1俵食べていただきたいと思い、1口=1俵(60㎏)でお米くらぶ会員を募集しているが、スポットでも5㎏、2㎏、1㎏ずつ購入できる。ご希望の農家を選んでいただけ、お米の袋には「草も虫も人もみんなが元氣に生きていける田んぼがある」とアピールされている通り、どのお米も、力強い美味しさだと思っている。

Q 環境に目を向けて食材を選ぶ、、、健康にも繋がりそうですね

今、完全ではないが「都会にいても自給自足生活のおすすめ」と打ち出して、「家族の1年分の基本的食料を化学物質ゼロで作りましょう。」と提案も行っている。醤油もオイルは1年かかるし、味噌は最低2年、梅干しは3年先に食べるものを作ることに。だから毎年、少し先の未来を考えて仕込む。「家族の健康を願ってお母さんが作る数年単位の気の長い手造りの食糧生産」私自身、これが素敵だと思い、こんなおばあちゃんを目指しています。食の根っこには、こんな暮らし方も必要だと考えている。

Q メダカのがっこうが目指す環境づくりに、私たちが参加することはできますか?

未来の子どもたちへ、健康になれる食習慣と暮らし方を残したいと考えながら私たちは活動している。メダカのがっこうのテーマの1つは、食で心身を建て直し、農家と力を合わせ、生きる環境と安全な食料に困らない日本を次世代に残せるようなおじいちゃん、おばあちゃんになること。環境を考えて、食材を選んで、未来につなげていく。現状を知って参加して頂くだけで、未来は変わってくると思う。

NPO法人メダカのがっこう