今朝お越しいただいたのは、NPO法人 アフリカゾウの涙、代表理事の山脇 愛理さんです。おはようございます。

Q  アフリカゾウの涙、どんな活動をされている団体ですか?

野生動物と人との共存を目的に、ケニア、南アフリカ、日本とベトナムを拠点に活動している団体。実際、アフリカゾウとサイは密猟がひどく、現地ケニアでは密猟対策や地元マサイ族との共存プロジェクトを、日本では密猟の原因となる需要に対しての取り組みを行っている。

Q  そもそも、この活動を始められたきっかけはどんなことだったのでしょう?

国際条約で禁止されているにも関わらず、アフリカゾウは15分に1頭、サイは8時間に一頭殺されている。マルミミゾウはあと5年で絶滅がほぼ確定している個体になった。文化の中で象の牙を消費する日本人として、そしてアフリカでの生活経験が有る私個人として、アクションを起こさなければ、このままではアフリカ大陸からゾウがいなくなってしまうと焦りを感じ、子供たちにアフリカゾウを残せるように活動を始めた。

Q 仮に、象がいなくなってしまうと、生態系にも大きな影響がありますよね?

ゾウが果実を食べることによって、植物の種が各地に広がり木を作り、ゾウがヤブの中を移動すると獣道ができ、他の動物にとって水飲み場やミネラルを摂取できる場所の間を移動しやすくするなど、アフリカゾウは、サバンナや森では「植木屋さん」と言われるほど、生態系では重要な役割を持っている。

Q アフリカゾウが 生態系を守っている、とも言えますか?

アフリカゾウがいなくなってしまうと、コンゴや中央アフリカの熱帯林が崩れ、サバンナの生態系も変わってしまう。地球の呼吸器官のひとつでもあるアフリカの大自然が変わってしまえば、異常気象が問題視される中、更に二酸化炭素の加担に繋がることは過言ではない。

Q 象牙(ぞうげ)の取引について、日本ではどんな状況にあるんですか?

今、合法と違法象牙が日本でも見分けがつかないことが問題になっており、そんな状況で象牙を買うと、知らずにテロの軍資金を支援することになる可能性も捨てきれない。絶滅と自然破壊だけではなく、社会問題にもつながってるのが、アフリカゾウやサイをめぐる問題になっている。

Q  こういう問題、広く伝えることが大切ですね?

日本において、一般的にこの問題に対してまだまだ意識がものすごく低いと感じているが、情報を得たときの反応は「なんとかしたい、力になりたい」と思ってくれる人がほとんど。イベントなどを通してアフリカの現状や活動内容を伝える機会が増え、多くの方に応援していただけています。

Q  この活動、私たちは、どのように応援することが出来ますか?

まずは、現状を知ってもらいたい。購入された象牙の印鑑や象牙の商品が、「もしかしたら」地球の裏側で起こる悲しい事態に加担しているかもしれない、、、この問題を知ることで現状が変わる。アフリカゾウの涙では象牙を必要としてない世代を育てる「No Ivory Generation プロジェクト」を展開中。昨年NHK出版から出した絵本「牙なしゾウのレマ」を全国の小学校に寄付するプロジェクトや、読み聞かせ、子供用ワークショップ授業など行っている。

現地ケニアでは、ゾウとの共存を実現させるために、地元マサイ族と、ゾウが嫌いな蜂を育て、ゾウの畑荒らしを防ぎ、マサイの現金目的の森林伐採をなくすための蜂蜜収入作りを行っている。また密猟阻止ユニットには私たちの探知犬が活躍中。これらを継続できるように、マンスリーサポーターや活動会員を募集しています。

特定非営利活動法人アフリカゾウの涙