●今朝お越しいただいたのは、東日本大震災支援団体「チーム王冠」にボランティアとして参加されている、杉崎順一さんです。

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Q  まずは、「チーム王冠」、どんな活動をされているんでしょうか?

在宅被災者」と呼ばれる、避難所や仮設住宅に入れず、津波や地震で破損した自宅を修理しながら避難生活を続ける被災者を主な支援対象として活動するボランティア団体。たとえば年金生活者は平均数百万円する修理費を負担できず、修理のできない家での不自由な生活を現在も強いられている現状が未だにある。

Q  そもそも活動はどんな風に始まったんですか?

*東日本大震災発災直後に代表の伊藤健哉が始めた避難所での炊き出しなどがキッカケでスタート。避難所での活動を通じ、避難所に入れず自宅に留まっている被災者が多数居るが、その人たちに支援物資や情報がほとんど届いていない現状に気付き、「在宅被災者」も支援対象としました。

Q  具体的な活動内容を教えてください。

仙台弁護士会と協力して在宅被災者宅を個別訪問。聞き取り調査を経て、具体的な問題解決の処方箋を作成しています。健康に不安を抱えながら医療費が払えず通院をあきらめている高齢者や多重ローンに苦しむ人など、原因は様々。時間が経てば経つほど、本当に困っている人たちは表面から見えにくくなりますがそんな被災者に伴走しながら、解決まで誘導していくのが現在の活動の中心。

Q  東日本大震災から5年が経ちましたが、現地の様子はいかがでしょう?

時間の経過とともに簡単に説明することが難しくなります。海岸線から少し離れた内陸部は新しく建てられた住宅や復興公営住宅が建ち並び、311の面影を知ることはできません。一方で、津波で破壊された壁や床の修理が済まないままの家屋で不自由な生活を続ける人もおり、被災地でその格差は開く一方です。復興どころか生活環境の復旧すらできない人たちが現在も少なからず存在することを、私達はもう少し知っておく必要があると思います。

Q いま 私たちにできることはどんなことですか?

まずは知ること、そして想像すること。毎年3月が近くなると東日本大震災関連の報道が増えますが、報道は「変化」に対しては敏感に反応する反面、「変わらないこと」はあまり報じないように感じます。「変わりないことを知る」ことの意義は大きいです。そして「なぜ遅れているのか」を想像してほしいと思います。自然災害をきっかけに自分が在宅被災者になる可能性はどこに住んでいてもあります。また、団体では支援を受け付けている他、長期・短期ボランティアも随時募集中。

一度「チーム王冠」のウェブサイトをご覧頂下さい。