今朝お越しいただいたのは、東日本大震災の復興支援活動をされている団体ARTS for HOPEから、代表の高橋雅子さんです。

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Q 「ARTS for HOPE」、たびたび番組でお話を伺っていますが改めて、団体の活動について教えていただけますか?

2011年の今日発生した東日本大震災を受けて、「アート」や「ものづくり」を通した心穏やかな時間と温かなコミュニケーションスペースをお届けしたいと、震災直後の2011年3月20日に設立したアート団体。東北の子どもたち・人々の心の復興を応援している。

Q 前回お話を伺った時(3年前)から、その後の広がりは?

活動実績はおよそ250回だった当時から、現在615回を超えた。岩手、宮城、福島に現地在住スタッフによる現地支局を開設、現地チームによる活動、東京本部の活動の2本の柱で運営が始まった。

一方、本部主導の活動は以前よりも大規模に。小学校、児童クラブ、プレハブでできた仮設園舎、小児科病棟等をアートで塗り替えるというアートリノベーションプロジェクト、障がいを持つ子どもたちへ向けたアート活動等、様々な活動も展開中。そしてつい先日まで、東北と東京の7会場で東北の今をアートで伝える展覧会「いま、ここで生きている」を開催。大きな反響を頂く中、震災発生から5年という大きな節目を迎えている。

Q  現地の様子はいかがでしょうか?

仮設住宅から復興住宅への移行の過度期で、仮設住宅の解体、集約が急がれる中、仮設住宅から他の仮設住宅への引越し等も行われている。コミュニティが再び分断され、復興住宅では「隣に誰が住んでいるのかが分からない」と、孤独感を募らせる高齢者の方々からの声を多く聞きます。5年が経ち、ようやくハード面が整い始める中、心の応援はやっとスタート地点に立てた、これからが本番と感じている。

子どもたちについては、普段の生活では元通りに見えるものの、避難訓練で震災当時の様子がフラッシュバックし、恐怖感で泣き出したり、パニックに陥ったりする様子も見られます。当時の年代や障がいの有無によって、恐怖心を消化するスピードが大きく異なっています。

Q  活動について、どんな反響がありますか?

活動を届けた住宅や学校、医療機関からは、「アート活動に参加した子どもたちに良い変化が見られた」「また参加したい!」という声が寄せられ再訪への強いリクエストを頂いている。また、先ほどお話した展覧会についても、他地域で開催し、東北からのメッセージを伝えて欲しいというリクエストも多く寄せられている。また、分断されてしまったコミュニティ復活のため、これまで仮設住宅のコミュニティプログラムとして喜ばれてきたアート活動をコミュニティ再生に活かし、協力してほしいとリクエストが大変多く寄せられています。

Q いま 私たち(リスナー)にできることはどんなことですか

東京では東日本大震災についての情報、東北の声が届ききれていないように感じる。まだまだ大勢の人が仮設住宅で生活し、心が折れてしまいそうな高齢者もいます。その事実にどうか目を向け、現地の人々の声に耳を傾け理解して欲しい。つながりが薄れ、忘れられてしまうことを何より不安に思う人々がいます。ぜひ活動を支援して頂き、私たちと一緒に東北を応援していけたらと思います。

ARTS for HOPE(アーツ・フォー・ホープ)東日本大震災復興応