藤代:おはようございます。今朝は、最近慌ただしい政治関係の話題を2点。一つはイタリア。もう一つは北朝鮮です。

J.K.イタリアでの政治混乱は?

藤代: イタリアは、ほぼ毎年首相が代わる政治の安定しない国ですが、現在、首相すら決まらない状態にあります。3月に総選挙があって、連立協議が未だ決着しない状態。先週はようやくまとまりかけたのですが、今週に入ってまた白紙に近い状態に戻りました。

J.K.イタリアの政治が世界経済に与える影響はどうですか?

藤代: こうした「決められない政治」はイタリアの代名詞的な存在なので、もはや驚きませんが、さすがに今回のゴタゴタは金融市場で影響がでています。イタリア国債が売られたり、株価が大幅に下落したりと、ここ数年にはなかった動きがみられています。イタリアは、ヨーロッパでドイツ、フランス、イギリスに次ぐ規模の国ですから、投資家が不安になるのもうなづけます。日本の株がここ数日下げたことにも間接的に関係しています。

J.K.:一方北朝鮮の状況は日本経済、世界経済に影響はありますか?

藤代: 米朝首脳会談の中止、再設定、が報じられ、大きな話題になっていますが、経済、株価に与える影響は、実のところさほど大きくないと考えています。北朝鮮は地理的に近いですから、政治的に非常に重要なのは言うまでもありません。しかしながら、よくよく冷静に考えてみると、経済の結びつきはほぼゼロです。貿易もほとんどありませんし、まして日本企業の進出先でもありません。もちろん、日本、韓国を含めて、アメリカとの交渉が良い方向へ行くのが理想的ですが、経済のことを主眼に考えた場合、関係性は低いと判断しています。従って、北朝鮮問題は、経済の話題ではなく、政治の問題といった具合に、分けて考えるのがいいように思えます。結論を言えば、現時点でイタリアの問題は日本経済に影響があり、北朝鮮の問題はそれほどない、といえると考えます。