藤代:おはようございます。今朝は銀行のコンビニATM等の使用料が徐々に無料でなくなっていることについて、その背景を解説したいと思います。

J.K.最近そうした動きがあるようですね。なぜですか?

藤代: 大きく分けて2つ理由があります。先ずひとつは、キャッシュレス化です。日本は現金決済が異常に多い国ですが、ここ数年はクレジットカード、電子マネーの普及に伴って現金のニーズが減っています。銀行からすると「ATM無料」を謳って顧客を引き付けるという動機が低下しています。

J.K.:キャッシュレス以外のもうひとつの理由は何でしょうか?

藤代: 低金利によって銀行の収益が圧迫されていることがあります。銀行は預金で集めたお金を貸し出しに回すのが伝統的なビジネスモデルですが、今は貸出金利が低くて稼ぐことが難しくなっています。そうした下でATM使用料を無料にすると、採算が合わないという事情があります。

J.K.:でも手数料は無料がうれしいですよね。

藤代: ただし日本の「手数料無料」というのは、欧米の銀行との比較では過剰なサービスという指摘があります。欧米の銀行は、口座管理手数料といって口座を持っているだけでおカネがかかることも一般的ですし、現金を下ろすというだけでなく残高照会も手数料がかかる場合があります。日本では銀行は公共サービスの一つみたいな考えた方があって、銀行が手数料をとって利益をあげることに批判的な声が多くあります。たしかにもうけ過ぎは考えモノですが、銀行の利益が過度に圧迫されると、本業の貸出が滞るほか、最悪の場合は公的資金、すなわち税金の投入ということになるので、銀行も一民間企業として、適切に収益を稼ぎ、預金者もそれに一定の理解を示す必要があるように思えます。