藤代: おはようございます。今朝は、世界的な景気拡大が終わってしまう可能性について、お話しします。

J.K.:これまで景気は回復しているということでしたが・・・。

藤代: 現在、アメリカ中心に世界景気は日本も含めて順調に回復しています。アメリカは2008年のリーマンショック以降、一貫して回復を続けて、一時10%を超えた失業率は今や4%です。日本も過去10年、震災や消費増税などを乗り越え、失業率は2%前半まで低下しています。こういった失業率の低下傾向、つまり景気回復はしばらく続きそうですが、景気は必ず波がありますので、無限に回復し拡大することはありません。したがって、いつかは景気の波が悪い方向へ行く時が来ます。私は、景気を登山に例えると今は8合目か9合目と判断しますので、そろそろ備えが必要かと思います。

J.K.:いつ頃景気が悪くなるのか気になるところですが。。。

藤代 まず重要なポイントとして、景気が悪くなると言っても、10年前のリーマンショックのような大惨事は想定しないください。あれは100年に1度のレベルのショックでしたから、現段階では、もっとマイルドな景気後退を想定しておけば十分です。世界の景気がピークをつけるのは、早ければ2年後です。もっと遅くなる可能性もありますが、あと10年も景気拡大が続くとは考えにくいです。

J.K.:なにか、景気がピークをつけるシグナルがでているのですか?

藤代 アメリカの金利が不気味な動きをしています。一般論として景気回復期待が強い時は10年、20年といった期間の長い、長期金利が上昇するのですが、最近は長期金利の上がり方が鈍いです。これはアメリカの景気回復期待が弱くなったことを意味します。過去10年くらい景気回復を続けてきたので、当たり前といえばそれまでなのですが、最近、アメリカの政策当局を含め世界中のエコノミストは、この金利の動きをみて、向こう数年の間に景気が減速局面に入るのでは?と話題にしています。良くも悪くも今は景気の頂上付近にいると認識しておくべきかと思います。