藤代おはようございます。今朝は就職・転職活動に役立つ企業研究の考え方をご紹介したいと思います。

J.K.:4月から大学4年生の方、就活を控えて特に気になりますよね。

藤代:まず、良い会社は何か?ということについて、ここでは業績の良い会社、或いは株式市場で高い評価を受けている会社とします。「多角化」している会社と「本業一本」の会社、どちらが良い会社なのか考えてみたいと思います。ちなみに、私は学生の頃、多角化している会社の方が優れていると思っていました。

J.K.:多角化している会社の方が、稼げる事業がたくさんあって、相乗(シナジー)効果もありそうですよね。

藤代:確かに色々な事業に進出していると、本業が不振でもその他の事業が好調だったりして業績が安定するという考え方はできます。またメーカーの場合、本業で必要な部品・材料を自社で作った方が安上がりになると考えて、部品を作る会社を新規事業として立ち上げるということがあります。例えば元々イヤホンを作る会社が、コードの樹脂、中に通っている銅線・ワイヤーの工場も作るといったケースです。

J.K.:多角化した方がメリットありそうですよね。

藤代:ただ多角化もデメリットがあります。それはおカネ、従業員の知識・経験が分散して、中途半端になり、収益力が弱くなってしまうことです。一方「もちは餅屋」という諺があります。本業一本を貫いている会社にはかなわないので、その分野はお任せした方が良いという意味です。ここで一つの結論を言うと、本業一本の会社の方が株式市場での評価は高く、また業績面でも優れているという研究が多くあります。なぜ、多角化が嫌われるかと言うと、会社が複雑で、その会社が何を目指しているのかわかりにくいからです。これをコングロマリット・ディスカウントと言って、経営学では常識的な用語です。企業研究に際して、こんな考え方があることを知っておくと良いと思います。