藤代:おはようございます。今朝は最新の日銀短観に基づいて、いまどんな業種の景気が良いのかをお話しします。

J.K.:まずは、日銀短観とはどんなものでしょう?

藤代:日銀が全国の企業約1万社に行うアンケートです。単純に「景気が良いか悪いか」を聞いています。従って、この結果が、景気が良いか悪いか人々がどう感じているかの「答え」になります。まずどういう企業に調査しているかを確認すると、製造業が約4千、非製造業が約6千。規模別では大企業が2000社、中堅・中小が8000社です。会社の規模に関係なく1社ごとに1票なので、日本全体の状況を把握するのに優れています。全体の結果を紹介すると、バブル景気終盤の1991年の水準に匹敵する高水準でした。

J.K.:どんな業種の景気が良いですか?

藤代:大きな括りでは、製造業の方が非製造業よりも僅かに良い結果です。世界経済が好調で輸出が伸びていること、国内では人手不足を補う目的もあって産業用のロボットを中心に工場で使う機械を扱う業種が良いです。それから非製造業では不動産と建設が良いです。オリンピックに伴って再開発が進んでいるものと思われます。

J.K.:あまり良くないところもありますか?

藤代: 一方、そうしたなかで出遅れているのは宿泊(ホテル)・飲食サービスです。インバウンドや国内景気の回復で客足は伸びているので、意外に感じるかも知れませんが、背景にあるのは人手不足でオペレーションに支障をきたしているという問題です。これは人手不足を補うための投資が伸びていることの裏返しなのですが、同時に機械が人間の役割を担うことの難しさを浮き彫りにしています。