藤代:おはようございます。今朝はものすごく身近な景気の分析方法を2つ、ご紹介したいと思います。

J.K.:景気がわかる、身近なもの。どんなものでしょうか?

藤代:まず一つ目は「もやし」の消費額をみることです。もやしはいつでもどこでも大体30円あれば買えて、コストパフォーマンスが極めて高い。従って、経済で暗いニュースが多い時、節約志向が強まった時、もやしの消費量は増加傾向にあります。これは消費者が知らず知らずのうちに景気を肌で感じた結果が、もやしの消費量の増減に現れているんだと思います。また、もやしの消費量と日経平均株価には比較的強い連動性があり、株価が下がっている局面ではもやしの消費量が増える傾向があります。総務省が発表している家計調査をみると、最近の日経平均の上昇に沿う形でもやしの消費量が頭打ちになっています。

J.K.:それではもやしの消費量の他、もうひとつは何でしょうか?

藤代:その前に一つ質問です。飲みに行くとき、山手線の「新橋駅」にあるお店と「恵比寿駅」にあるお店。それぞれどんなイメージがありますか?

J.K.:どちらも飲食店がたくさんあります。新橋は大衆的で安くおいしい、恵比寿は少し高いけどオシャレなイメージ。

藤代:山手線新橋駅の乗降者数と恵比寿駅のそれを比べると、景気がわかります。

景気の良い時は恵比寿駅の乗降者数が相対的に増えて、反対に景気が悪い時は新橋駅の乗降者数が相対的に増えるという傾向があります。これは景気が良いと少し高いお店のある恵比寿に、景気が悪い時は安く飲めるお店が多い新橋に行くという、消費者行動が背景にあると思います。恵比寿駅の乗降者数が増加している時は、株価の上昇局面に一致します。実際にJRが発表している数値と比較すると連動性が確認できます。経済の分析は一般論として難しいイメージがありますが、実際の景気は身近な至る所で感じることがでるというわけです。