藤代: おはようございます。師走が近づき、この一年の業績を分析している人も多いと思いますので、そこで役立つデータ分析の方法を紹介します。

J.K.:業績分析の一種、それはどんな方法でしょうか?

藤代:「季節調整」という方法です。個人商店や会社を経営している方はもちろん、会社で業績管理をしている人に是非知ってもらいたい方法です。ビジネスでは、一般的に前の年の同じ時期に比べて今年の成績がどう変化したのかを測ることが多い一方で、前の月との比較をすることはないと思います。多くのビジネスは季節ごとのパターン、すなわち繁忙期と閑散期がありますから、それを無視して比較することはできないからです。例えばケーキ屋さんはクリスマス期に売上が飛躍的に伸びますから、11月と12月の売上を単純比較することはできません。

J.K.:そういう季節ごとに変動がある業績の管理は難しいですね。

藤代:そこで季節調整の出番です。簡単にいうと過去の傾向から「売上が多い月」と「少ない月」を探し出して、例えば売上高が平均より20%多い月は、その月を20%減額、反対に15%少ない月はその月を15%増額することで月ごとの変動を取り除くことができます。これが季節調整。要するに季節的な変動を平らにならすことです。こうすればケーキ屋さんの場合、11月と12月の売上高をフェアに比較できます。

J.K.:これはどんなことに役立ちますか?

藤代:例えばクーポンを配布した場合など、その効果を判定するのに役立ちます。クーポン配布後、季節調整を施した売上高が増加していれば、単なる季節的な要因ではなく、クーポンの効果の可能性が高かったと言うことができます。つまり1ヶ月前の数値と単純比較ができますので、マーケティングにも活用できる訳です。経済指標の多くは季節調整値ですが、それは足もとの景気の瞬間風速を測るのに優れているからです。ネットで「季節調整 エクセル」で検索すれば方法が見つかりますので、ぜひ試してみてください。5年位のデータを使い30分もあればできます。