藤代: おはようございます。今朝は「ヨーロッパ経済」についてお話します。

J.K.:政治面ではスペイン、カタルーニャ州の独立問題などが取り沙汰されていますが、経済はどんな感じですか?

藤代:スペインのカタルーニャ独立問題の他にも、政治面では、フランス、ドイツ、オランダで移民に排他的な姿勢をとる極右政党が躍進したり、何かと話題が多いのですが、実のところ経済は絶好調と言えるくらい景気が良いようです。それを象徴するように、ドイツ企業の景況感を表す指標は、1970年の統計開始以来で最高を記録しました。

J.K.:他にはどんなデータがありますか?

藤代:ユーロ圏のGDP成長率は約10年ぶりの高い伸びを記録しています。しかも一時的ではなく、既に2年くらい持続していますので、かなりしっかりとした足取りです。同時に好感すべきは、ドイツの一強ではなく、フランス、イタリア、スペインなど横への広がりを伴っていることです。ちなみに話題のスペインは、この2年くらいドイツよりも高い成長を記録しています。

J.K.: ヨーロッパと言えば、失業率が高いイメージがありますがいかがでしょう。

藤代: ヨーロッパの失業率は今9%くらいです。日本の失業率が3%以下なのと比べると随分高いですが、それでも約9年ぶりの低水準です。9%の失業率を低いと言うことに、違和感を覚えるかもしれませんが、これは日本よりも失業保険の制度が充実していることが影響しています。そのおかげで、あえてゆっくり転職活動をしている人が存在していますから、どうしても失業率は高くなりがちです。従って日本と単純比較することにさほど意味はありません。数年前までは、ヨーロッパ経済の減速が日本経済の足を引っ張るとの懸念が根強かったのですが、現状はほとんど心配が要らないほどの状態です。