藤代:おはようございます。今朝は「訪日外国人の動向」についてお話しします。

J.K.:最近はどんな具合ですか?

藤代:8月の訪日外国人数は248万人。8月としては過去最高。驚くべきことに前年から20%も増え、10年前のおよそ3.5倍。足もとでは3000万人ペースになっています。来週発表の9月分も同じ位の伸びが期待されます。国別では、多い順に中国、韓国、台湾、香港、アメリカ、タイ、オーストラリアといった具合。なかでも注目すべきは台湾です。

J.K.:なぜ台湾に注目するのですか?

藤代:台湾からの訪日客は直近12ヶ月で440万人。中国、韓国に次いで多いのですが、台湾の人口は僅か2400万人弱です。つまりたった1年で全人口の2割弱が日本に来ているということですから、とんでもない数字です。日本を複数回訪れたという人が全体の3/4を占めていますので、かなり日本への旅行が定着しています。非常に重要なお客様です。

J.K.:他に注目すべきことはありますか?

藤代:最近の傾向として、ヨーロッパからの観光客が日本でたくさんおカネを使う傾向が強まっています。最新のデータで一人あたり消費額が最も多かったのはイギリス、2位がイタリア、3位が中国でした。ヨーロッパの方がおカネをたくさん使うようになった理由は様々ですが、私は為替の影響が非常に大きいと思います。たとえばイギリスの場合、昨年はEU離脱の影響でポンド安・円高でしたが、今年に入ってからは円安・ポンド高傾向に反転しています。つまり、イギリス人からみると、日本への旅行はお買い得感が強まっている状況です。旅行の予算は基本的に旅行者が自分の国の通貨で決めますから、その国の通貨に対して為替が円安になると自動的に日本で使える額が増えるという訳です。既にデータで明らかになっていることですから、この関係は今後も続くと思います。外国人旅行客向けにビジネスをされている方は、為替を参考にすると役に立つかもしれません。