藤代:おはようございます。今朝は私の専門である「日経平均株価の予想」をお話ししたいと思います。

J.K.:どんな予想ですか?

藤代:私は日経平均株価について、これまでは19000円とやや慎重な見通しを貫いてきました。しかしながら、ここへ来て日本企業の業績が予想以上に好調で、なおかつ今後も国内外の経済回復が期待できることを踏まえると、株価は更なる上昇が期待されます。そこで新たな株価予想は21500円で、これは向こう12ヶ月以内に到達すると思います。

J.K.:景気回復が期待できるとのことですが、その理由は?

藤代:一つの考え方として「在庫循環」というものがあります。在庫循環とは、簡単にいうと、企業の手持ちの在庫が減ったり増えたりすることです。まず、在庫が減るということは、基本的には販売が好調ということですから、結果的に生産が増えます。反対に在庫が増える時は、売れ行きが鈍く、商品が余る状況ですから、生産は減ります。こうした変動は2・3年くらいの周期で訪れますが、現在は売れ行きが好調で在庫が減少、生産が増えている局面です。過去のサイクルに照らし合わせると、今後1年くらいはこの状況が続くと考えられるので、景気拡大と株価上昇が期待されます。

J.K.:在庫の変動で景気が読めるという訳ですね?

藤代:在庫といえば、「情報技術の発達によって企業は無駄な在庫を持たなくなった」ということが言われていますが、実際はそれほど上手く在庫管理ができていないようです。リアルタイムで現在の在庫が確認できとしても、やはり販売見通しを予想するのは難しいので、結局、これまでどおり在庫が積み上がってしまったり、減りすぎてしまったりして、景気が変動しているという訳です。こういったサイクルを踏まえると、この局面で景気や株価に強気になるということは、それなりに合理的と言えます。ちなみに生産と在庫の統計は月末、つまりこの後8:50に経済産業省が発表しますので興味のある方はチェックしてみてください。