藤代: おはようございます。今朝は、昨日の日銀金融政策決定会合を踏まえて、今後の金融政策については解説したいと思います。

J.K.:そもそも今はどんな政策なのですか?

藤代:日銀は昨年の9月から「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という政策を実施しています。大雑把に言えば、マイナス金利政策ですが、特徴的なのは2つの金利を操作していることです。本来、中央銀行は翌日物、すなわち短期金利を操作することで景気を刺激したり引き締めたりするのですが、日銀は10年モノ国債の金利も操作対象に加え現在は0%。短期金利と長期金利を操作することで大きな政策効果を狙うという訳です。加えて株式を年間6兆円というペースで買い入れるなど、大胆な金融緩和を実施しています。

J.K.:この大規模な金融緩和、いつまで続くのですか?

藤代:私の予想では18年7月か9月の日銀会合で、まず10年モノ国債のゼロ金利政策が終わり、その後少しずつ金融緩和の出口に向かうと思います。日本経済は日銀の思うように物価が上がらないのですが、景気そのものは順調なので、金融緩和の必要性が低下してきています。2%の物価目標が達成される見込みは全く立っていませんが、一方でこれ以上の金融緩和に意味があるのか?という問題はあります。

J.K.:物価目標が達成できないことが、日本経済にどういう影響がありますか?

藤代:物価を考える上で一番重要なのは、物価下落が続くような状況を絶対に作らないことです。物価が持続的に下落すると、奇跡が起きない限り、賃金も下落するので、物価上昇率は常にゼロ以上に保つ必要があります。現状は2%には届かないものの、それでもゼロ以上の状態にあり、賃金も緩やかですが着実に上がっています。なので、金融緩和の手を緩めること自体はOK、そういう状況に近づいています。