藤代: おはようございます。今朝は「ジャンク債」という、最近ちょっと注意が必要なものを紹介します。

J.K.:「ジャンク債」耳にすることはあまりありませんが、どんなものでしょう。

藤代:ジャンキーな債券、つまり利息や償還金が無事に返ってこない可能性のある債券です。信用力の低い国や企業が発行している債券で、満期までに破綻してしまえば、債券を持っている人は当然のながら損失を被ります。しかしその反面、こうしたリスキーな債券は金利が高いので、ここ数年の世界中の超低金利というなかで、相対的な魅力度が高まっています。

J.K.:どれくらいの金利がもらえるのですか?

藤代:一般的にジャンク債と呼ばれる債券の利回りは5%を超えます。安全とされる国債だと日本が0%、アメリカでも2%強なので、5%はとても魅力的にみえますが、ジャンク債を発行している企業や国の信用力に照らし合わせると、この5%という利回りは低すぎる印象があります。これはジャンク債の人気が行き過ぎていて、本来、投資家が要求すべき金利を大幅に下回っている可能性があります。イメージ的には8%や10%の金利で貸し出すべき人に、5%しか金利を求めていない状況です。

J.K.:なぜ、そのような危険な債券が人気なのですか?

藤代:ここ数年は世界の中央銀行が金利をゼロないしはマイナスにしましたから、少しでも金利の高いところにおカネが集中しているのだと思います。ここで象徴的なのは、最近アルゼンチンが100年満期の国債を8%の金利で発行したところ、それを買った投資家が数多くいたということです。アルゼンチンはこの100年で6回も借金を踏み倒しているので、お世辞にも信用力が高いとはいえません。それでも投資家は8%弱の利回りを求め、アルゼンチン国債を買いました。これは債務不履行のリスクが軽視されている印象です。最後に余談ですが、世界がこのような状況ですから、借金の多い日本の国債が、なぜゼロ金利なのかという話も、返済の信用度という点からは、少しは納得感が得られるのではないかと思います。